表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大学受験に失敗して就職もせず、気づけば五十歳ニートになっていた  作者: マルコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/145

第5部-第65章 配置転換の打診

昼の巡回を終えて事務所に戻ると、上司の田村が「ちょっと話せるか」と声をかけてきた。

 会議室の扉が閉まると、空気が急に重く感じられた。


 「浩一さん、最近疲れてるように見える。無理してないか?」

 予想していた質問だったが、言葉が詰まる。

 「……大丈夫です」

 そう答える声は、自分でも弱々しいと感じた。


 田村は机に置かれた資料を指で叩きながら続けた。

 「今の持ち場は人の流れが多いし、突発的な対応も多い。もし希望するなら、もう少し負担の軽いバックヤード警備に回すこともできる」


 バックヤード――店舗の裏側や搬入口での警備は、来客対応こそ少ないが、冷たい空気と単調な作業が続く。

 社会復帰を意識してこの仕事を始めた自分にとって、それは一歩後退のように思えた。


 「考えておいてくれ。無理をして長く続けられないより、環境を変えてでも続けた方がいい」

 田村の声は柔らかかったが、その奥に“判断を迫る”色があった。


 帰宅後も、その言葉が頭から離れなかった。

 窓の外では冬の夕暮れがゆっくりと街を包み込んでいく。

 カーテンを引きながら、浩一は自分に問いかけた。


 ――これが、守るための選択なのか。それとも、逃げるための選択なのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ