表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大学受験に失敗して就職もせず、気づけば五十歳ニートになっていた  作者: マルコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/145

第5部-第58章 夜明けと疲労

午前五時を過ぎた頃、東の空がわずかに明るくなり始めた。

 巡回中、ガラス扉越しに見える街の景色は、夜の影を少しずつ後退させていく。

 ビルの谷間から差し込む淡い光が、冷たい床に細長い帯を作っていた。


 無線で「本日の夜勤終了です」という声が入ると、緊張が一気に解けた。

 制服のポケットから小さくため息が漏れるように、力が抜けていく。


 更衣室で着替える手は、思った以上に重く、ボタンを留めるのにも時間がかかった。

 肩や腰は鉛のように硬く、立ちっぱなしの影響が全身に染み込んでいた。


 外に出ると、通勤の人々が駅へ急いでいた。

 その流れの中に混じりながらも、浩一の歩みはゆっくりだった。

 人々の顔にはこれから一日が始まる活力が宿っているが、自分にはもうその力が残っていない。


 コンビニで温かい肉まんを買い、店先でかじる。

 湯気とともに口の中に広がる塩気が、徹夜明けの体に沁みた。

 ただ、それが活力になるというより、ようやく一息つける合図のように感じられた。


 家に着くと、母はもう起きていて朝食を作っていた。

 「お疲れさま」とだけ言い、あとは何も聞かずに味噌汁を差し出す。

 湯気越しに見えた母の横顔は、どこか安心しているようにも見えた。


 そのまま布団に倒れ込むと、次に目が覚めたときは、すでに夕方だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ