第0章 神は死んだ。
プロローグ
──銀河の果ての、蒼い星にて。ここでは古来より人々は神を崇め奉り、神は天使をもって祝福と安寧を与えていました。
星神ティシュトリヤは地上を照らし恵みを与え、地上は5柱の天使が治めていた。そして、人々はそれを享受し、彼ら神々に返礼していたのです。
しかしながら、この平穏も永遠には続きません。
人々は、得てして貪欲です。自らの科学技術を推し進める内に彼らは、この関係は抑圧であると考えるようになりました。祝福が、得られるはずもないのでしょうに。
彼らは武器を持ち、天使の翼を折り、神に向けて弓を引きました。進みすぎた技術力は人々の、神への求心力を喪わせるのには充分だったのです。
「何者もを照らせぬ星で、我は存在できようか?」
射落とされた星神は、羽のない5柱の天使を抱えて蒼星を去ります。やがてかの蒼い星は、己が持った貪欲に飲まれ、終には滅亡の一途を辿ることとなるのです。
星神たちは己が存在証明の為に"求心"を探しました。
白い尾を引くほうき星となりて、新たなる楽園へ旅立つのです──
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第0章、プロローグです。