第9話:信長との亀裂(続き) 第5章:魂の再会
1557年、尾張の田舎
尾張の田舎は、秋の風が熱を帯びてる。
俺、前田利家は、小さな村の家の裏で槍を手に持ってた。19か20歳の俺は、赤母衣衆の頭として数々の戦を戦い抜き、「槍の又左衛門」の名を尾張中に響かせた魂の男だ。
背も高く、力も漲り、まつとの結婚が俺の魂を燃やしてる。信長の非情さに耐えきれず織田家を飛び出した俺は、ここで自由に生きてるが、心の奥で何かが燻ってる。
「利家! また槍か!」
声が響いた。まつだ。18か19歳のまつは、小柄だがその瞳に魂が宿り、俺に近づいてきた。
俺は槍を地面に突き刺し、熱い息を吐いてニヤッと笑った。
「当たり前だ! 槍がなけりゃ、俺の魂は死ぬ。お前、何だ?」
まつが微笑み、手に持った籠を掲げた。
「畑の収穫だよ。お前、魂が燃えてるのはいいけど、少し落ち着けよ」
「落ち着くかよ! 槍は俺の命だ! でも、まつ、お前と暮らすこの熱さが、俺を生かすぜ!」
俺の声が裏庭に響き、まつが目を細めて頷いた。
信長と決別したあの日、俺は魂を叫んで織田家を出た。裏切り者の村を焼き払え、女や子供まで殺せと命じた信長に、俺の熱い血が逆流した。
俺は信長の為に槍を振ってきたが、そんな非情な道は俺の魂が許さねえ。母ちゃんとの「生きて帰る」約束、まつの「私を置いて死なないで」が、俺の魂を燃やしてる。
まつの熱い支え
その日の昼、俺はまつと飯を囲んだ。
小さな卓に野菜と飯が並び、まつが俺の隣で熱く笑う。その笑顔に魂が宿ってる。
「利家、こんな暮らし、どうだい?」
まつが熱く問いかける。俺は飯を豪快に食い、ニヤッと笑った。
「最高だぜ! 戦場じゃねえけど、お前と飯食ってると、魂が燃える。槍を手に持つ熱さが、まつで生きるんだ!」
まつがクスクス笑い、俺の手を強く握った。
「私もだよ。お前が信長様と決別して、ここに来てくれた。お前が魂を燃やして生きてるの見て、私も熱くなる」
俺はまつの手を握り返し、魂から叫んだ。
「俺は死なねえよ! お前と生きる為に槍を手に持つ! 信長の非情さに魂が耐えきれなかっただけだ!」
まつが目を潤ませ、小さな布を差し出した。
「なら、これ持ってて。私が魂込めて刺繍した。お前の槍に結べよ」
俺は布を受け取り、まつの刺繍した赤母衣の模様が燃えるように輝いてるのを見た。俺は叫んだ。
「まつ、お前、魂の塊だな! この布、俺の槍を熱くするぜ!」
まつが笑って、頷いた。
「夫婦だもの。お前が槍を手に持つなら、私が支える。お前が魂を燃やすなら、私がその火を守るよ」
まつの熱い言葉が、俺の魂に火を灯した。
信長との再会
その夕方、家の外で馬の蹄の音が響いた。
俺は槍を手に飛び出し、信長が立ってるのを見た。あいつが俺の前に現れた。
「利家、久しぶりだな」
信長がニヤリと笑う。22か23歳のあいつは、目がギラギラしてて、冷たい魂が宿ってる。
俺は槍を地面に突き、熱く叫んだ。
「信長! 何だ! 俺の魂を試しに来たのか!」
信長が目を細めて、笑った。
「お前、織田家を出て、魂が燃えてるらしいな。戻ってこい。俺の槍が必要だ」
俺は魂から叫んだ。
「戻るかよ! お前の非情さに俺の魂が耐えきれねえ! 村を焼き、子供を殺すお前に、俺の槍は振れねえ!」
信長が冷たく笑い、俺を見た。
「甘いな、利家。天下取るには非情がいる。お前、俺と一緒に天下を取れ」
俺は槍を振り上げ、魂を叩きつけた。
「天下はお前一人で取れ! 俺はまつと生きる! 俺の槍は魂の為に振る! お前とじゃねえ!」
信長が一瞬黙り、冷たい声で言った。
「なら、勝手にしろ。だが、お前の槍、惜しいぜ」
信長が馬に跨がり、去った。俺の魂と信長の魂が、再会でぶつかり合った。
影の熱い問い
その夜、まつと寝た。
まつが隣で寝息を立ててる。俺は信長との再会で魂が燃え、やっと眠りに落ちた。
でも、夢を見た。
暗い森だ。俺が槍を手に持つ。目の前に、黒い影。兜をかぶった武将が、俺と同じ槍を握り、魂を燃やしてる。
顔は見えねえ。兜の下は闇だ。
「お前は誰だ!」
俺が魂から叫ぶと、そいつが熱い声で答えた。
「お前が貫いたものだ! お前が守るものだ! 絆は試される! 貫く先に何を見る!」
今回は、影の声に信長の冷たい怒りとまつの熱い優しさが混じり、影が俺の槍を指した。まつの刺繍した赤母衣が炎のように揺れ、影が俺の魂に重なった。
目が覚めた時、心臓がバクバクしてた。汗で全身が濡れてた。まつの寝息が、静寂の中で響いてた。
俺は拳を握り、魂を叫んだ。あの影が何だか分からねえ。でも、信長と再会し、まつと生きる道を貫く俺は、試練が来ても負けねえ! 槍とまつを手に持つ! それが俺の魂の道だ!




