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第五八話

帝都アルテミスに戻り、若い魔法使いユンゲからリリィの過去について重要な情報を得たレオンとミリアは、リリィを守るための新たな決意を固めていた。

ユンゲの話によれば、リリィはホムンクルスと人間のハーフであり、帝国の実験の産物として影の森に封印されていた存在だった。

しかし、エドとリナという老夫婦に愛され、封印が解けたことで人間として生きてきたことが明らかになった。

一行はリリィの純粋さを再確認し、彼女を守るためにさらなる調査を続けるつもりだった。

しかし、ユンゲの情報提供から数日後の朝、帝都の宿屋で衝撃的な報せがレオンとミリアの耳に入った。宿屋のロビーで朝食を取っていた二人のもとに、帝都の衛兵が慌てた様子でやってきた。


「勇者様、大変です! 魔法研究施設のリーダーと、その部下の若い魔法使いが…殺されました!」と衛兵が息を切らせて報告した。

レオンが「…何? 殺された? 誰のことだ?」と鋭い目で衛兵を睨むと、衛兵が「初老の魔法使い…名前は知りませんが、施設の責任者です。そして、ユンゲという若い魔法使いです」と呟いた。


ミリアが「…ユンゲ!? 数日前に私たちにホムンクルスの話をした子よ…!」と呟き、緑の瞳に動揺の色が浮かんだ。

レオンが「どうやって殺された? 詳しく話せ」と低い声で尋ねると、衛兵が

「…二人とも、施設の裏手の壁に…磔にされていました。喉を切り裂かれ、血だらけで…まるで何かの警告のようでした」と呟き、顔を青ざめさせた。

レオンが「…磔だと? 誰がそんなことを」と呟き、剣を握る手に力がこもった。ミリアが「…レオン、これは…」と呟き、言葉を詰まらせた。


レオンとミリアは衛兵から話を聞き終えると、すぐに宿屋の部屋に戻った。部屋では、リリィがガルドと一緒に窓辺で外を眺めていた。

ガルドが「お、帰ってきた! 何かあったのか? 顔が真っ青だぞ」と笑うと

リリィが「…ミリア、大丈夫?」と呟き、無表情のままミリアを見つめた。

ミリアが「リリィちゃん…うん、大丈夫よ。ちょっと…大事な話があるの」と呟き、震える声でリリィの手を握った。


レオンが「ガルド、リリィ、よく聞け。魔法研究施設のリーダーと、ユンゲが殺された。壁に磔にされていたそうだ」と呟き、部屋の中が一瞬静寂に包まれた。

ガルドが「…何!? ユンゲって、あのホムンクルスの話をしてくれた奴だろ? 誰がそんなことを…」と叫び、大剣を手に持った。リリィが「…ユンゲ、死んだ?」と呟き、紫の瞳に微かな戸惑いが浮かんだ。ミリアが「リリィちゃん…ごめんね、怖い話をして。でも、私たち、ちゃんと守るから」と呟き、リリィを抱きしめた。


レオンが「これは…俺たちへの警告だ。ユンゲは俺たちにホムンクルスの情報を話した直後に殺された。魔法研究施設のリーダーも、俺たちに資料を渡した人物だ。誰かが…リリィの正体を知られたくないんだ」と呟き、眉を寄せた。

ミリアが

「…リリィちゃんの命を狙う存在がいるかもしれない。クロノスの言葉…『こちら側の存在』って、もしかしたら、リリィちゃんを兵器として利用しようとする勢力がまだいるのかも…」と呟き、震える手でリリィの白銀の髪を撫でた。


レオンは部屋の隅に立ち、窓の外を睨みながら考えに沈んだ。彼の心は、激しい葛藤で揺れていた。

「…このまま帝都にいれば、リリィが危険に晒される。だが、逃げれば、リリィの過去の真実を知ることはできない。どちらを選ぶべきだ…?」と内心で呟き、剣を握る手が震えた。レオンはリーダーとして、一行を守る責任を感じていた。

特にリリィは、彼にとって大切な仲間であり、守るべき存在だった。彼女の無垢な笑顔、純粋な心――それが、兵器として作られた過去を持つ少女だとしても、変わらない。


ミリアが「レオン…どうする? リリィちゃんの身の安全のために、帝都アルテミスの力が及ばない場所へ逃げるべきかしら…? でも、そうしたら、リリィちゃんの過去を調べることは難しくなる…」

と呟き、緑の瞳に不安が浮かんだ。

レオンが「…分かってる。だが、危険を承知で帝国の秘密に踏み込むことも考えられる。リリィの正体を突き止めることで、彼女を守る手がかりが見つかるかもしれない」と呟き、頭を抱えた。


ガルドが「レオン、俺はどっちでもいいぜ! リリィを守るためなら、逃げても戦ってもやる! だが、俺は思うんだ…リリィの過去を知ることで、彼女を本当に守れるんじゃないかって」と呟き、大剣を手に持った。

リリィが「…レオン、ミリア、私…逃げたくない。過去…知りたい」と呟き、無表情のまま二人を見つめた。彼女の紫の瞳には、微かな決意が宿っていた。


ミリアが「リリィちゃん…あなたがそう言うなら、私たちも頑張るよ。レオン、私、リリィちゃんを守るために、もっと調べたい。帝国の秘密に踏み込むのは怖いけど…リリィちゃんの過去を知ることで、彼女を守れるかもしれない」

と呟き、杖を手に持った。

ミリアの心は、リリィへの深い愛情で満たされていた。

彼女はリリィの純粋さ、無感情な中にある優しさを愛しており、どんな危険があっても彼女を守りたいと思っていた。

レオンが

「…ミリア、リリィ、ガルド。俺たちの目的は、リリィを守ることだ。だが、そのためには敵を知る必要がある。ユンゲと魔法使いを殺した奴らが誰なのか、リリィを狙う理由は何なのか…それを突き止めるために、俺たちは戦うしかない」

と呟き、剣を握る手に力を込めた。

レオンの心は、葛藤しながらも決意に変わっていた。リリィを守るためには、危険を冒してでも真実を追求するしかない。


レオンが「リリィ、俺たちはお前を守る。どんな敵が現れても、絶対に守る」と呟き、リリィを見つめた。リリィが


「…レオン、ありがとう。ミリア、ガルド…仲間、嬉しい」と呟き、無表情のまま小さな笑みを浮かべた。

ガルドが「よし、決まりだ! リリィを守るためなら、どんな奴が来てもぶっ倒してやるぜ!」


と叫び、大剣を肩に担いだ。ミリアが「リリィちゃん、私が魔法で守るからね。絶対に、みんなで乗り越えよう」

と呟き、リリィの手を握り直した。


一行は新たな決意を胸に、帝都アルテミスでの戦いを続けることを決めた。

ユンゲと魔法使いの殺害は、明らかにリリィを巡る大きな陰謀の存在を示していた。

リリィの過去には、まだ多くの秘密が隠されているかもしれない。

レオンとミリアは、リリィを守るために、帝国の闇に立ち向かう覚悟を固めたのだった。

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