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柊薫(女騎士)、変わらずの精神

私の名前は柊薫。

今回は私の勇者探しの一員になるまでの話をしようと思う。

色々話すと長くなるが、どうか聞いてほしい。


まず私の人物像だが、私は品行方正な人間だ。

自身の行いに自信を持っているし、それが間違いだと思ったことはない。

実際咎められることはなかったし、むしろ多くの人に感謝されたぐらいだ。


そんな私はどこにいても憧れの的となっていた。

自分で言うのもなんだが私は素晴らしい人間だと思っている。


そんな私は自然と人に感謝される仕事に就きたいと感じ、警察官を目指し始めた。

ん?今は学生なのかって?

違うぞ。今は別の仕事に就きながら、勉学に勤しんでいる最中だ。


そんな矢先であった。

私が異世界に飛ばされたのは。


突如魔法陣が現れ、私は異世界に飛ばされた。


なぜ異世界だと気づいたのかって?

そんなもの決まっている。

アニメの影響に決まっているだろう。


そう、実は私は大のアニメ好きのアニメオタクなのだ。

家では警察官の勉学に勤しんでいる傍ら、様々なアニメを網羅している。

むしろアニメを観ながら、勉学に勤しんでいるといえるレベルだ。

ん?そんなんで勉学に力が入るのかって?

入るに決まっている。

私の行いはいつだって正しいのだから!


さて、異世界に飛ばされたといっても、私の場合は少し特殊で、転移先が小さな集落であったのだ。


私はさっそくその集落に溶け込むことに成功した。

私の存在はこの集落の者に大きな力を与え、そしてこの集落の活発化を促したのだ。

私は大層集落の皆に感謝されたよ。

今までにない知識により大いに集落の発展に役立っていると。

しかし、不思議なことにこの集落が行っている業務内容を一切教えてはくれなかったのだ。

まあ、私は集落の人間ではない。

信頼には時間がかかるのだろう。

教えてもらうのを楽しみにしている。


それからは信頼を得るためにたくさん協力をした。

残念ながら異世界にきて私自身何か変わったということはなかったが、私という存在が大いに役立ったようだ。

そして、1月が経とうという時、ついに私は業務の一環を見せてもらえることになった。


私は絶望した。

彼らが行っていた業務、それが敵国のスパイ活動だったのだから。

私はすぐに業務をやめるように提案しようとした。

しかし、すでに遅かった。

鎧を被った兵士がたくさん侵入してきたからだ。


その兵士はこの国の騎士団のようだ。

あっという間に皆をとらえ、その場を制圧した。


私?もちろん捕まったさ。

私に戦闘能力はないからな。


そして、私は犯罪者として王都の牢屋に入れられたのだ。


ん?こわくないのかだって?

馬鹿者!!!!

怖いに決まっているわ!!

足がガクブル、生まれたての小鹿みたいになっているだろう!!

ああ、誰か助けて、私は冤罪なんだ。

ただ騙されただけなんだ。


私はしばらく私は牢屋にいたがこの場にはたくさんの牢屋がありその一つ一つに捕まった集落の人がいる。


私は聞いたのだ、なぜそんなことをしたのかと。

危険なだけだ、そこまで自国の為に危険を冒す理由は何なのかと・・・。


集落の中の一人が言ったのだ。

私たちは仕方なくやったのだと。

聞いてみれば、もともとはただの他国の農民だったとか。

しかし、戦争に反対した結果、人質を取られやらざるを得ないとか。

聞けば集落の人間はみな同じだという。

息子、娘に会いたいだの、妻、夫に会いたいだの、両親、親友、恋人に会いたいだの皆涙を流していた。

私は彼らがかわいそうになった。

そして彼らに聞いたのだ。

どうすれば解放されるのかと。

すると彼らは答えてくれた。

とある公爵家にある魔道具が狙いだと。

私はそれを手に入れたいと思った。

悪いことだというのは分かっている。

しかし、1月だが、よくしてくれた人たちの涙は見たくない。

私は悪事を働くことを覚悟した。


そして、私は幸運にも王宮の牢屋に移されることとなった。

理由は分からない。

これは予期せぬ幸運。

しかし、私は見逃していたのだ。

彼らが不気味な笑みを浮かべていたのを・・・。


私は、王宮へ向かう最中隙を見て逃げ出したのだ。

彼らは油断しきっていたのか案外あっさり逃げ出すことが出来た。

そのまま私は逃げた。

そして、この日は何とか逃げ切りことに成功した。

その後、地図を手に入れ今度は公爵家に侵入することに成功した。


そして、捕まった。


どうやら、目的を知るために私を敢えて泳がせていたようだ。

その後私は王宮の牢屋に入れら、そこで真実を聞かされた。


彼らはただの他国の兵士でどこからか異世界人の話を聞いていたらしい。

そして、私が勇者なのだと勘違いした彼らが、私を利用し公爵家の秘宝である魔道具を盗み取ろうとしたようだ。

いったいどんな魔道具なのか非常に気になるな。

それはともかく、私が捕まったことで、彼らの罪がさらに重くなるそうだ。

それはそうだろう。

私も賛成である。


すべての真相を知った私は怒り狂っていた。

それと同時に私自身の行いがただの悪事になってしまったと知り、心底自身を嫌悪した。


きっとこれから私はひどい目に合わされるのだろう。

奴隷になるのだろうか。

私は立派な人間になりたかったのに・・・。


そして、それから数日たち私は玉座の間へ連れられた。


連れらせる最中、私は情けなさと悔しさから前を向けずにいた。

顔を上げてしまえば、きっと私をあざ笑う顔を見ることになるだろう。

私を見下す顔を見ることになるだろう。

それだけは見たくなかった。


玉座の間ではすでに2人の人間が跪いていた。

私はその者の顔を確認する。


一人はとても美しい女性。

もう一人は奇麗と可愛らしさを兼ね備えた女性であった。


かわいさを兼ね備えた人物と目が合った時、私は気づいた。

同郷だ・・・と。

しかし、なぜこんなところにいるのだろうか?

まさか私と同じように何らかの罪を犯したのだろうか。


その後、男性が入ってきた。

この人は男性であった。

顔が青ざめていた。

大丈夫だろうか・・・。


そして、この国の王様だと言う男性が私たちにこう説いた。

罪を償う為に勇者捜索の一員となり世界を渡れと・・・。

まあ、誇張しているがこんな感じだろう。


もちろん私は内心大喜びしていたさ。

私は大のアニメオタク。

この展開は願ってもない状況だ。

冒険の最中どんな困難が私たちを待ち侘びているのか非常に楽しみだ。

私は罪人だと言うのに、既に期待に胸を膨らませていた。


あと、いろいろザルな発言をしていたな。

柊薫という異世界人が一斉に転移したらとか・・・。

それに、聖女とか言う綺麗な女性と王様の会話に出てくる女神とか言う存在。

話を聞けば聞くほど、可哀想だと感じてしまう。

聖女がダメダメなせいで苦労しているとか・・・。

実際聖女を見ればその気持ちよくわかる。

駄々をこねて恥ずかしいだろうに・・・。


まあ、こんなことがあり私は正式に勇者捜索の一員となったのだ。

メンバーが少々心許ないが私がいればなんとかなるだろう。

それになんとなくだが、彼女らとならとても楽しい冒険が出来そうな気がするしな。


さて、ここまでが私の冒険の前日譚となる話だ。

私がきっとこの世界を救う勇者とやらを必ず見つけ出してやろう。


いざ!冒険の旅へ!

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