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宵闇に舞姫は希う  作者: 月詠紫苑
第一章
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【1-1】守り人と舞姫

 四季の美しい島国である神州は、様々な要因で幾度となく危機に瀕していた。

 水害、大地震などの自然災害、飢饉、終わりを知らぬ戦。

 そのような事象が人の心に落とす影、そして人が生来持っている欲望などによって生まれる穢れ──瘴気は新たなる災厄を呼ぶ。

 人々はその災厄である、瘴気が生み出した異形を妖魔と名付けた。妖魔は人を喰らい、神州に混乱を齎す。

 それを憂いた神々は、瘴気を祓うべく神の力の宿る三つの神器を人の子に与えた。

 神器によって国の瘴気は一定以下に抑え込まれた。三つの神器の一つが機能しなくなるだけで、その均衡は崩れ始めるだろう。

 強大な力を宿した神器を狙う、妖魔も含んだ外敵から護る為、神々は神器と同時に大地に住まう人間にあやかしの名を付けた神力を与えた。

 (つるぎ)の神器を護る一族には『鬼』の。

 宝玉の神器を護る一族には『天狐』の。

 鏡の神器を護る一族には『天狗』の力が与えられた。

 特に一族の中でも抜きん出て強い神力を持った、神器を護る役割を担う者は守り人と呼ばれるようになる。

 しかし、そこで問題が生まれた。

 守り人はあくまで神器を護るのが本懐。妖魔を祓うことこそ出来るが、彼等には瘴気によって穢れた神器を浄化するのには向いていない。

 その為神器は早々に役割を果たせなくなり、抑え込めなくなった瘴気によって妖魔の発生数も元に戻ってしまった。

 そこで神々は瘴気を浄化する事の出来る権能を新たな者に与えた。瘴気を祓う時に舞を踊る事、その権能を受け継ぐのが女性が多かった事から、その権能を継承する者を人々は舞姫と呼ぶようになる。

 こうして守り人と舞姫は神器を管理するようになり、彼等の血縁がその力を受け継いでいったのだ。


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