あぶない2人
「いや~梨江子さんよかったな。
4人の中で一番背が高くてスタイルも抜群、長い髪もすごく素敵だった!」
「確かに綺麗だったな、俺は友枝さんも素敵に思えたけど」
「あぁ彼女も綺麗だった、どことなくいい匂いがしたしな、まぁ4人ともだけど」
「変態か?おまえ」
「仕様がないじゃねえかよ!彼女たち香水のいい匂いがしたんだから」
「おい春雄、お前そんなんばっかだとモテるもんもモテねえぞ!」
「心配いらないよ、彼女は俺のドラムテクニックに見惚れてんたんだ! だから、俺らを見てたんだよ」
「いいや、違う俺の歌唱力に見とれてんだ!」
「またまた、ご自身が一番わかってるのに。俺のドラムがあって歌がひきたつんですよ」
「いやいや、私の歌が全楽器を引っ張ってるんですから」
終始、意地の張り合いをやめない繁治と春雄
「あっ。そんなことよりよ友枝さんと再来週の日曜、デートの約束したんだよ」
「えっ!いつの間に、ていうか彼女、仕事忙しくないの?」
「今のところ、休みの予定らしいから大丈夫ですって返事くれた」
「えぇ、いいな。というか抜け駆けずるいぞ!」
「なんでだよ、お前もデートの約束取り付ければいいじゃんか、意中の梨江子さんに」
「え・・あ・・あは・・い・・いや、
こないだの今日でいきなりデート誘うのってがっついてるって思われちゃうじゃねえかよ(照)」
「なぁに、恥ずかしがってんだよ急に。
普段、接客業やってるんだからその感じで接すればいいんだよ」
「いや、出来ねえよ~」
急に照れだし始めた春雄、なんか腹立つ。
「めんどくさいな、俺が電話してやろうか?
春雄とデートしてあげて下さいって」
「お前、やめろよ。みっともない」
「じゃ、お前から電話しろよ。
はい、これ。梨江子さんの電話番号」
「えっ?」
「じゃ、またな!」
「あ、おっおい!シゲ」
颯爽と夜の公園を後にする繁治。
ただ一人残された晴道
おもむろに渡されたメモを凝視する
「梨江子さん・・・」
ー ー ー ー ー
「ふぅ」
ブオォォー・・・・
(楽しかったな、コンパ。
また逢いたいな…繁治さん…
明日も忙しいから早く寝よ)
入念にドライヤーで髪を乾かし終え、
床に就く梨江子。
春雄の心を露知らず、
「もしもし私、高野といいます…いや、違うか?
もしもし高野春雄といいます、いや、固すぎる。
..しもしも、梨江子さん…ダメだダメだ、軽すぎる。
え~と」
午前1時、静かに針を進める時計を他所に
電話の冒頭のとり方をひとり練習する春雄
果たして、彼の恋路は如何に?




