第二次戦
期待高まる中、始まったシゲのステージ。
あっという間に演奏を終えると、こちらも三沙に負けず劣らぬ程の観客から拍手と熱い歓声が響きあっていた。
「お疲れ様、シゲ。」
「いい選曲だったな。」
「相変わらず、歌上手ねシゲくん」
「格好よかったよ。」
「お前、やっぱり天才だな!」
「素敵でしたよ。今日も聞けてよかった」
歌い終え、ステージから戻ってくるや否や
皆で一斉にシゲを称賛した。
「ありがとう皆!!
いや~。俺くらいになると歌う曲も限られてくるからさ、参ったよ(笑)
まぁ、でもめでたい日だしさ!
どうせなら二人への祝福になればと思ってこの曲選んだんだよね」
いつもの調子でか、歌いきった達成感でかシゲは上機嫌だった。
つい先程までは、乗り気ではなかったのに。
「お疲れ様でした。お二人とも」
振り返るとバックヤードから須田が登場した。
「おう! 須田、ありがとうな。急遽、ライブさせてもらって。」
本当いつもありがとう。などといつもと同じように感謝を述べるも、
「とんでもございません。こちらこそ、素敵なライブをありがとうございました。
歌っていただいたお二人には私から一杯ご馳走させていただきます。」
「お ! いいね。ありがとう !」
やはりともいうべきか、ただ酒と聞くや目の色を変え始めたシゲ
「何にしよかな? 歌い終わってから喉カラカラでよ。
なんとも抜け目ない奴だ。
シゲのいつもと変わらないズル賢さに感心していると、
「あれ三沙、何飲んでるの?」
梨江子が問いかけた。
「これ? ギムレット。」
「珍しいね。いつもはジンかウイスキーのハイボールかロックしか飲んでないじゃない?
「新婦さんを想って飲んでるのよ。もちろん新郎さんも。
ギムレットって長いお別れや人を想うっていうのがカクテル言葉なのよね。
「へぇ、よく知ってるわね。
「前にお酒に詳しい人に聞かせてもらったのよ。
これまでは会社の先輩としてお世話になってたから感謝とこれからの幸せを想いながら乾杯ってね。」
「素敵ね。なんか。
「そうでしょ?
三沙の敬愛ある言葉を聞いていた中、
「たかがカクテルだろうよ?大袈裟だな(笑)
振って混ぜただけのよ
皆が思った。
また、始まった…
この男はムードをよくぶち壊すな。
その時ばかりは流石に怒りを覚えた
三沙ちゃんが巣たつ先輩夫婦を労いながら話してくれたメッセージを遮るように放った無神経な発言にやはり、彼女も顔つきが変化していった。
「はぁ?
「ちょっと雑学覚えたぐらいで口に出すとはまだまだだな。
んでもって、ほんと酒好きだなお前(笑)」
… 無言で二人を見ていたが、中でもこの時の三沙は過去類を見ない程の表情をしていた。
「知ってる?
あくまでカクテルの意味合いで花言葉みたいなもので気にしていただかなくて結構よ。
まぁ、酒と歌うこと以外知らない貴方からしたら新鮮すぎて無理もないわよね 。
言葉にすることが珍しすぎるでしょうから。
なんなら、あなたにも永遠のお別れを
想って一杯奢りましょうか?」
「おう、こりゃこりゃたまらんな!
酒に飲まれた女に酒を飲まされるとはな!
お兄さん、一杯食わせれたわ。酒だけにww」
つまらないを通り越して虚しさの方が勝ってる。
十分過ぎるほどの憎たらしさで対抗してくる繁治
みるみる内に決闘モードに変化を遂げていった二人。




