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歌のお姉さん

そんなこんなで急遽決まった二人の対決

バンド演奏が終わり、演奏メンバーの休憩とセッティングに少しの時間が要された

観覧していた客もそれぞれ宴の席を楽しんでいた。


事の起こりを説明し終えた孝輔、ハル、梨江子も加わったことで一層、緊張感が生まれていた。

「あーどうしよう。普段は緊張しないけど、今日は別の意味で緊張してるんだが…」

貧乏ゆすりをやめないシゲ

「お前つくづく恵まれてるな。ブーケといい、歌唱対決といい注目一人占めじゃねえか。羨ましすぎるぞ、この野郎!」

と春雄がシゲの頬をつつきながらイジる。

対するシゲはそれどころではない為、気にも止めない。

「いつも贔屓にさせてもらって悪いな。

おまけにライブの出演までさせてもらって。」

「孝輔さんたちには昔からお世話になってましたし、こちらとしてもバンド演奏を手伝ってもらう方が助かりますよ。未だに繁治さん目当てのお客様もいらしてますしね。

ここで演奏することで普段の仕事のストレス発散になれれば幸いです(笑)」

相変わらず律儀な孝輔は須田にも挨拶を欠かさない


離れた場所に移って心の準備をしている三沙はというと

「あ~何か散々な1日だわ。

結婚式の中盤ぐらいからあの男に振り回されているし、こんな場所で唄うことになるし。」

「三沙は歌、歌うのうまいじゃない。いつもの調子でやればいいのよ。」

「そうよ。普段通りにしてればいいのよ。」

青葉、友枝が励ますのとは対照的に

「あなた、贅沢よ。私と変わってほしいくらいだわ。ブーケといい、演奏といい何でもかんでも手に入れて。

繁治さんとの貴重な一時なんですから、大事にしてよ。

私だったらデュエットしたいとこだけど。」

梨江子は嫉妬と激励を言葉にしていた。

「それなら今度、一緒にカラオケ連れてって頼みなさいよ。」

友枝が提案。

すると、

「あ、じゃあ今度またみんなで集まったらカラオケにでも行こうよ」

「それいいわね!こういった形ではない歌声を聴くのもありね。」

「・・・・」

三沙を置いてけぼりにしながら勝手に盛り上がり始めた3人

取り残された感覚を味わいつつ、孝輔が呼びかけてきた。

「もう、始めていいってさ。とりあえず順番決めるから、ちょっと皆来て。」

「ふぅ。(……)」

小さくため息をつき、何かボソボソと口にしていた三沙。そして無言のまま、三沙は孝輔たちの元へ歩み寄った。


「とりあえず順番だけど、どっちからやる?

「俺はどっちでもいいけど…

「じゃ、私から先行で」

「!?」

言いかけてる最中の返答に驚きを隠せない繁治

「あら。なんだかんだやる気マンマンじゃない」

「三沙、頑張って」

「ちゃんと歌いきるのよ!」

残る3人は応援を欠かさない


「それじゃ。先行は三沙ちゃん。後攻はシゲな。とりあえず、二人とも頑張って。

須田いつでもいいよ。」


無責任というかなんというかどっちつかずの味方な発言に目がテンになる。

そして、対バン対決が始まった。

簡単なボーカル紹介を前演奏バンドのボーカルが行ってから三沙がステージに立った。

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