救世主?
紳士的な言葉が聞こえ、全員が聞こえてきた方へ向くと
「「須田。」」
俺とシゲが名を口にした。
須田は俺たちの大学・バンド時代の後輩でこの店の開発者だ。
「お久しぶりですね。お二方。」
「久しぶりだな。元気にしてたか?」
「今日は出勤してたんだな。」
「最近は店にも顔出せるぐらいの時間は作れるようになったんですよね。
ミュージシャンの前に経営者でもあるので、結構大変なんですよね(笑)」
「こいつ、俺らに自慢できるなんてデッカくなりやがって(笑)」
「でも、ホント久しぶりだね。俺が最後に会ったの解散演奏やったとき以来だもんね。」
「良さんとはあれ以来中々会えませんでしたもんね。お店利用してくれてるのは知ってましたけど。お二人がいるってことは
孝輔さんもハルさんも来てますよね?」
「あぁ、前の方で演奏聴いてるよ」
「じゃあ二人にはあとで挨拶するとして… 」
そうして、須田は彼女たちに目を向けた
彼女たちはキョトンとしていた。
「本題に入る前に自己紹介がまだでしたね。
はじめまして当ライブハウスの支配人でシゲさんたちの後輩になります
須田と申します。
いつも、ご来店ありがとうございます。」
「あっ、どうも。」
「はじめまして… …」
「お世話になってます。」
友枝、三沙、青葉の順に返答した。
友枝と青葉は普通の対応であるが、三沙の方はさっきの形相とは打って変わって、頬を赤らめながら須田の方を見ていた。
恥ずかしさから来るやつでか、それとも須田が二枚目だからときめいているのであろうか?
「バーカウンターで騒いでいるお客様たちがいると聞いたので来てみたらシゲさんたちがいたので…」
「悪い。ちょっとうるさくし過ぎた」
「忙しいのに手間かけさせてごめんな。」
「いえいえ、ウチはステージの方がうるさいくらいだし。賑やかなのはいいことじゃないですか。
何か訳がお有りでしょうから遠慮なく話してください。」
「実はシゲとこちらの三沙さんが…
ことの顛末を僕の口から説明した。
「なるほど、そうでしたか。」
「すまなかったよ。許してくれ。
もうこれ以上騒がないから出禁とかは勘弁してくれ。」
先程まで瞬間湯沸し器の如く激昂していたシゲが深く頭を下げていた。
「安心してください。この程度なら出禁なんてしませんよ。」
「ありがとうございます!!」
モノすごい最敬礼をするシゲ
僕と友枝と青葉ちゃんは冷ややかな目で見た。
「でしたら、お二方で勝負しませんか?」
「「えっ?」」
「この後、演奏するバンドがいないのでよかったら二人で交互に歌ってお客さんたちに判定してもらいましょうよ。
そうすれば、お互い納得がいくでしょうし。」
「よかったじゃない。三沙」
「えっ!?」
「こんな機会滅多にないよ。すごいじゃない! 」
「えっ!?ちょっと…」
「シゲ、なんなら二人で歌ったら。
二人ともブーケを受け取った仲なんだから」
「ちょ、おいおい…」
「それじゃ早速、演奏隊に伝えて来ますね」
「あっ、待てよ。まだやるって言ってない..
おい、須田!」
唐突に始まった須田の提案から急展開に進み、焦りだす二人
次の二人の演奏開始まであと残り僅かとなった。




