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修羅場(fin)

「私は今の仕事を始める前は、服飾系の専門学校に通っていたの。」

「へぇ、今の仕事とは全く違ったんだね。」

「その当時は今と違ってデザイナーやバイヤーに憧れていたの。特に憧れていたのはウエディングデザイナーかプランナー。

今日とかも観てて思ったけど、やっぱりウエディングドレスって華があるじゃない?

あぁいった服に携われる仕事にすごく興味があったの。」

「そうだったんだ。

それが今ではカメラマンの助手か。

結構な路線変更に出たんだね。」

「今でも諦めてないのよ。この仕事に見切りをつけれたら、また始めようかとも思うくらい。それぐらい好きなの。」

「そっか。」

「本当言うとね、今の仕事でも結婚式とか花嫁の写真とかが撮れる仕事だとよかったんだけどね。最初とかは色んな分野で身近に感じながら仕事ができると思って始めたんだけど…」

「だけど?」

「…ううん なんでもないわ。

今の仕事にも満足してる部分はあるし、贅沢言ってちゃダメよね。」


そう言い残した彼女にはまだ何か見えない小さな壁を感じた。

それから、今に至るまでの彼女たちの出会いも聞かせてくれた。

「梨江子とは専門学校時代に友人になって、

そこから紹介してもらって青葉とも三沙とも知り合ったのよ。」

「なるほど。梨江子さんからの繋がりだったんだね。」

「梨江子も実家が服に携わる職業だから自ずと目指していたんだよね。

そういったとこから徐々に仲良くなって、それぞれ違う進路だった二人とも交流をもつようになったの。」

「なんかやっぱり僕らと似てるな。」

「あら?そうなの?」

「僕と孝輔は高校が同じでそこで音楽がきっかけで仲良くなって、とりあえず大学に通っても、音楽をやってたら、シゲとハルと仲良くなったんだよね。」

「やっぱり私たちって前世からのお知り合いなのかもね。」

「間違いないね(笑)」


そうして二人で談笑していると、

「なになに?二人で何の話してるの?」

青葉ちゃんがふいに現れた。

「おぉっ」

「あら、前で聞いてたんじゃないの?」

「気がついたら二人が見当たらないから何処行ったんだろうって探してたんだよ。

ねぇ、何の話してたの?」

「良太郎さんの栄光時代の話」

「おいおい。」

「私も聞きたいです。まだ聞いてないですし。」

「え ? あら、そう?」

「あ、喜んでる。」

「「 wwwww 」」

演奏ほったらかしで談笑しつつ他愛もない会話から

「ま、当時の僕は…

自らの過去を話し始めたその時、


「あのなぁ!」

「何よ!!」


今度はなんだ?と思い、シゲの方を見た

すると、

「そんなに言うなら

お前がステージに立って歌ってみろよ!!」

「あんたに言われなくても歌ってやるわよ!!」

ようやく静けさを取り戻したかに思えたが、

再び、痴話喧嘩が起きていた。


ライブ中ということもあり、ステージから周辺のお客さんは歌に夢中でシゲの方には数名のお客さんと僕たちを除いて視線を送らなかったことが不幸中の幸いだった。


「今度はどうしたのよ?」

近所迷惑を止める為、二人の前に歩みよった僕ら3人。

すると三沙が口にした。

「この男がまた、私に喧嘩ふっかけたから頭にきたのよ!!」

「こいつ、俺のことを散々、罵ったあげく三文役者なんてぬかしやがったんだぞ!」

「本当の事じゃないのよ!」

「どこがだよ!? 大体、お前みたいな素人に歌い手の苦労が分かってたまるかよ!

「あんたの苦労なんか知らないわよ!

少なくともあんたよりはマシな歌が歌えますー!」


これだよ。

原因を聞いてみれば、些細な子供同士の喧嘩みたいでいい加減飽きてきた。

折角、若手ミュージシャンたちの歌を聞きつつ、思い出話に花を咲かせつつあったのに…。

ムードをすぐ壊すんだから。この二人は…。

と腹の中で呆れ果ててると

「もう辞めなさいよ三沙。そしてシゲくん。

あなたたちの喧嘩の仲裁にはうんざりしてるのよ。お店にも迷惑じゃない! 」

友枝さんが心に停めていた言葉をぶつけた。

「ほんとだよ。そんなに嫌なら、店変えようよ。」

青葉ちゃんも同調した。

いいぞいいぞと

俺も二人に続いて同調しようとした時、


「お客様、どうかされましたか?」

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