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修羅場(3)


~♪~~♪~ー♪♪

店内に反響する大迫力のサウンド

巷で流行ってるドラマの主題歌の曲だ。

従来の音に加え、楽器演奏が更に新鮮さを造り上げている。


「いつ聞いてもすごいね。」

友枝が口にした。

「ん?」

思わず聞き返した

カウンターで言い合いをしてる繁治と三沙を置いて僕らはステージ近くに場所を移した。

中でもステージ前方で演奏を聞いている4人とは距離が出来、気がつけば友枝と二人きりになっていた。

「生で聴いていると迫力があるわよね。」

「そうだね。

人前に立って演奏してる分、どうやったら観客に届くか何度も研究して弾いているからだろうね。」

「ここの演奏してる人たちってミュージシャンの人たちなの?」

「半々だね。デビューして日が浅い人もいれば、まだ練習段階で目指している子とかもいるよ。」

「登竜門みたいなかんじ?」

「そんなとこ。この店にはたまに音楽関係の人が来店する事もあるから、趣味でやってる人もプロを目指してるやつも視察されているから。常に満足いく音が聴けるんだ。

僕らも何年か前までは似たような境遇だったから。」

「皆、プロを目指してたの?」

「・・まぁ、そうだね。結局最後は皆、普通の人生を歩む方を選択しちゃったけど。」

「ふーん。」

「アマチュアだからこそ、味わえた贅沢な時間だったのかもな 。」


そう。

夢を追いかけ、友と出逢い、師と出逢い、何度もぶつかっては纏まり、前へ進んだ贅沢な一時だった。

彼女との時間もそうだった。

もっと近くにいるべきだったのかもな…。

そう心の中で余韻に浸っているとふいに友枝が問いかけてきた。

「聞いてもいい?

別れた彼女さんとも音楽関係の道で知り合ったの?」

「え ?!」

思いもよらない問いかけに動揺した。

「ど、どうしてそんな事聞くの?」

「なんか気になっちゃって。いつか聞いてみようかなって思ってたから。」

「あぁ、そう。

…というか俺に彼女がいたこと何で知ってるの?!」

何故、当時恋人だった佑三子の事を彼女は知っていたんだ?

「前に浅草で4組で別れて散策してたときに繁治くんから聞いたの。大事な日に別れを切り出されて上手くいかなかったって。」


気がつくと繁治の方へ視線を向けていた。

(あいつ、何ベラベラ喋ってんだよ!!)

当の本人はようやく三沙ちゃんとの闘いが落ち着いたか座って酒を嗜んでいた。


「けっこう綺麗な人だったんですってね?」

続けて友枝は話を展開する。

「えっ!? あっ、 あ~そうだね。

今でも惜しかったかな~なんて。

あはははっ…なんちゃって~」

「何だか触れないほうがよかったかしら?」

「べべっ別にそんなことはないよ!(汗)」

「なら、よかった。ねぇ、もっとその頃の話とか聞かせてくれない?」

「えっ?」

「ほら、他の3人は何となくその頃の想像がつくけど、良太郎くんはイメージが沸かないのよね。想像に困っちゃうっていうか…」

「…そうなの?俺ってそんなに目立たない?」

「あ、嫌みとかじゃなくてね。

謙遜でもなければ、目立ちたがり屋っていうイメージでもないのよね。」

「あぁ、そう。まぁ当たってるといえば当たってるけど…。」

「私、興味あるな。

皆が少し前はどんな風で,どんな生き方してたかとか特に良太郎くんに関しては今と違ってどんな見た目でどんな生き方していたか、とか」

「べっ別に話すほどのことはないよ(笑)

俺らも今とはそんなに変わってないと思うし、強いて言えば見た目を少し華やかなのを意識して生きていたかな。」

「へぇ。ってことはロックな感じで化粧とかもしてたとか?」

「舞台上がるときはちょっとだけね。

衣装もカッコいい感じのにしたりとか。」

「そうなんだ。他には?」

「まぁ、少しずつだけど知名度が出てきたら

男性のファンじゃなくて、女性のファンも出てきたな。やっぱり、バンドとしてのファンも勿論いたけど、シゲや孝輔目当てのお客さんの方が多かったけど。」

「やっぱりそうなのね。今見てても二人って格好いい顔立ちしてるもんね。」

「まぁ、孝輔はそうでもないけどシゲに至ってはそういったファンが原因でよく問題起こしてたからね。」

「やっぱり今と変わらないのね(笑)」

「シゲは案外、今も中身はあの頃のままかもね。」


「!?」

(何か誰かに悪口言われてるような)

なんとも言えない悪寒に襲われ、周囲をキョロキョロし出す繁治

(ひょっとしてこいつ、また性懲りもなく俺のことを考えてやがるのか?)

そういって三沙を一瞬見つめたときに

目があってしまった。

「何よ?まだ私に何か言い足りない訳?」

「別に。」

「…次、私の事見たら、罰金ね。」

「はあ?なんでお前に金払わないといけないんだよ。つか、そもそもお前に興味なんかないし!」

「こっちだってあんたなんかに興味なんか持たれたくないわよ!」

運悪く、また始まってしまった。


「……」

「じゃあ、そういった形で彼女さんとも?」

佑三子との出会いから今日に至るまでを

友枝に話した。

「まぁ、最初はファンとして来てくれて…

それから何回も来ている内に

気づけば恋人同士にっていう感じかな。」

「そうなのね。良太郎くんも結構イカしてたのね。」

「まぁ、人気になるにつれて、少し有頂天だった頃でもあるし若気の至りだよ。

今となってはどうってことない夢追い話と痴話喧嘩の話さ。」

「そうかしら?結構思い出深い出来事のような気がするけど。」

「どうでもいいじゃん。俺の話は。

それより、友枝さんの方も俺は気になるな

「私? 私はね …」

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