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花束

場内は相変わらず賑わっている。

指輪の交換、誓いのキスが終わり、

新郎新婦が退場した後

親族関係者の順から祭壇をあとにした。

そして、大庭に移ってから…


「まさか、結婚式がカブるとはな。」

先程まで新郎新婦を交えた親族同士の集合写真を撮っていてようやく合流した繁治が口にした。

「しかも、それぞれ新郎新婦と関係があるというね。」

と続ける孝輔

「俺らと彼女たち、何かは分からない不思議な縁があるのかもな。」

と更に俺が口にすると

「「まったくだな。」」

二人同時に口を揃えた。

漫才トリオのような掛け合い(?)

のように話に花を咲かせていると、

「だが、しかし切っても切れない深い間柄になる予感しかしない。」

と便所から帰ってきた春雄が口にした。

相変わらずムードに似つかわしくない発言とマイペースな態度に飽き飽きしていたが、

「「「誰と誰が?」」」

と三人揃っての返答で春雄を困らせようとした。

「えっ?」

「いや、だから具体的に。」

「誰と誰が?」

「あ、いやそれは…」

「まさかとは思うけど春雄くん。

ひょっとして君と梨江子さんって言いたいんじゃないのかな?」

「えっ!何でわかった?」

照れながらの返答にたちまち腹がたってきた繁治は

「お前の考えそうなことぐらい分かるっつうの!だいたい俺らと友枝さんたちのはどうなるんだよ!

またうやむやにしようってんなら、張っ倒すぞ!この野郎」

「いいじゃねえかよ!祝いの席だぜ!少しは寛大にしてくれてもいいじゃん」

「お前の場合いつもだろ!!」

春雄をしっかりホールドした繁治が攻撃を止めないでいた。


「まさか、こんな場面でも一緒になるとはね」

と三沙

「ほんと、世間は狭いっていうかなんと言うか。」

と友枝

「私たち、きっと前世でも友達立ったんじゃない?」と青葉

「きっと前世でも私と繁治さんは運命の赤い糸で結ばれてたのね。」と

一人鑑賞に浸る梨江子


もういつも通りの風景に慣れた事もあって

誰もつっこもうとしない。


やがて大庭にてブーケトスが始まろうとしていた

新郎新婦両方がブーケを手に取り、招待客に向かって放つ準備が行われていた。


「珍しいな。ブーケって新婦さんが持ってると思ってたけど、」

と普段、結婚式に呼ばれることが少なく

あまり興味がない為、初心者同然の俺が問いかけた。

「今回の式ではお二人同時に投げるらしいよ。それで受け取った人が知り合いじゃなかろうと幸せが訪れますようにって。

粋な計らいだよな。」と孝輔

「でも例えばこれで男同士だったり、女性同士だったら何か面白いな。」と繁治

「嫌いな人同士だったり、知らない人だったとしても気まずいな。」と俺

「いや、これはある意味チャンスだ。」と春雄

「なんで?」と孝輔が聞き返した

「例えばこれで俺と梨江子さんがキャッチしたら、もう必然だ。

神様が補償したも同然よ。」

「…お前こういう時でも諦めないんだな。」

「なんかすごい精神だよね。」

と俺と孝輔があきれた

「まぁ、ダメ元。

披露宴の余興に付き合ったと思って、やるだけやろうぜ。」

あまり積極的ではない繁治の一言の通り

「そうだな。」

「そう簡単にとれない訳だし。」

俺と孝輔も宛にしないで近寄る。

「絶対とるぞ!俺は」

一人闘争心を滾らせる春雄とは対称的な

俺と孝輔、繁治の3人はブーケに注目した。


「それでは皆さん新郎新婦と共にせーので行きます。

掛け声の準備はいいですか?

いきまーす!!」

『 せーの 』

二人同時に後ろ向きで投げたブーケが宙を舞う。

そして、映えある幸せを掴んだのは


パシッ


「「え?」」

「!?、」

僕らは驚いた。

なぜなら手にしたのは

繁治と三沙さんだったからだ。

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