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招待状②

彼女は職場の先輩社員である。

私の一年先に入社して仕事も職場の知識もあの人に教わった。

たくさんではないけれど、何度かお昼を一緒にした事もあるし、相談事に乗ってもらったりもした。

私が会社で気を許す数少ない人間の一人でもあった彼女。そんな彼女もご結婚し、数ヶ月後には退職される。

会社からいなくなるのは結構寂しいけれど、御世話になった気持ちが強く、心から祝福したいと思った。

その日は梨江子と一緒に春雄さんと繁治…くんの演奏を観に行く予定だったのだけれど、結婚式出席の為に断った。

しかし、驚いたことに梨江子もご友人の結婚式があり、演奏会には行けないとの事。

二人とも予定が出来てしまい、一緒に観る予定だった孝輔さんに連絡をいれると、彼も別の結婚式があり都合が合わなくなった事と、出演する春雄さんと繁治ボーカルも都合によりライブは延期になったとのこと。

丁度よい(?)とも思ったが、今回は結婚式が優先であり、彼らの演奏会も延期になったのみでまたすぐに観れる日が来ると思い、その日は何事もなく済んだ。

迎えた当日、式場場所へ来てみると大勢の参加者が集まっていて祝福ムード一色だった。

皆、この日をすごく待ちわびていたんだな、

御二人は沢山の人たちから祝福されるほどにご友人に恵まれていたのだろうな、などと考えているとエントランス付近にて驚く場面に遭遇してしまった。

そこにいたのは……


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

新郎とは親戚で兄貴のような人だ。

小さな頃からよくサッカーをしたり、釣りに行ったりして遊んでもらっては、俺が音楽をやってみたいって話した時に楽器の事を教えてもらったり、一緒に音楽を聴いたり、、

『お前は声がでかく武器になるからボーカルの方が向いている』って教えてもらって。

以来、この声が自分の長所になりバンド時代でも今の仕事にも活かせるようになり、今日まで来れた。

兄貴には凄く世話になったし、新婦さんとも末長く幸せでいてほしい。

迷わず出席に○をした。しかし日にちを観ると俺と春雄のバンド演奏の日とかぶっていたのだ。

しかし、他ならぬ兄貴の大切な一日。出席しない訳にはいかない。

春雄とメンバーにはすぐに連絡を入れた。

メンバーの皆はすぐに許してくれ、春雄はというと俺と同じく結婚式の出席があるとかでライブは延期になった。

そして、孝輔にも梨江子さんにも伝えるとなんと二人とも結婚式行事があるとかで話はすんなり終わった。

変な偶然もあるもんだと思いながら、当日を迎えた。

この日のために沢山の人が式場へ訪れていた。兄貴も新婦さんも沢山の人に愛されていたんだなと感心と慶びを感じながら式場へ入ると、その日で一番に驚いた。

なんと、全員大集合していたからだ…。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

彼女は親戚同士である

幼い頃は一緒に暗くなるまで遊んだっけ。

どこへいくのもいつも一緒だった。

服飾系の仕事が将来したいと最初に話したのは彼女だった。

彼女は親身になって相談にのってくれ、仕事場にも何度も足を運んでくれた。

そんな彼女も結婚かぁ。あっという間だったな。

幼かった頃がつい昨日のような感覚になってしまう。

しかし、私もそう遠くない内に結婚する…

きっとする。そう旦那さんはきっと孝輔さん…。

などと妄想を膨らましつつも、しっかり祝福しようと迷わず出席欄に○を記入し、当日はどんな服を着ようかなどと考えていたが、大事なことに気がついた。

その日は繁治くんと春雄くんの演奏会があったことを。しかも三沙と孝輔くん、良太郎くんとも観る予定だったことを。

うっかりしていた、お祝い気分全開で大事な予定をすっぽかすところだった。

最初に三沙に連絡を入れると、驚くことに三沙もその日は演奏会に出れなくなったという。しかも結婚式に出席することになったと、同じ日に祝賀行事に参加とはすごい偶然だなと感じた。

続いて孝輔さんに連絡をとると、なんと孝輔さんも結婚式行事でその日はダメになったいう。

こんな偶然が起きるなんてやっぱり私たち…

と一人思っていると、今度は繁治さんもだというのだ。こんな偶然ってあるもんなのだなと思いつつ、皆が同じ場所に集まったら面白いのにと思ったがその偶然が的中した。

当日、会場へ訪れるとそこにはなんと皆が勢揃いしていた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

新郎とは兄弟分のような存在だ。

小学校から今に至るまでずっと仲が良く、今回の入籍には凄い感慨深いものを感じた。

迷わず出席をさせてもらおうとしたのだが、この日はHOT SOUNDSにてライブ演奏があり梨江子さんも観にきてくれる日だったが、昔からの親友の門出を祝う日。

この日だけは親友をとることにした。

本来であれば、繁治とバンドメンバーに先に連絡をいれなければいけないのだが、梨江子さんに真っ先に連絡をとった。

しかし、なんと彼女も別の結婚式に招待されてたというので自分にとっては都合がよかった。

祝い事の彼女の姿を一目見たかったのが、心残りではあるがいずれもっといい姿を観れる時が来ると期待しているので、その時までとっておくことにした。

(早く見たいな。

梨江子さんのウェディングドレス姿…)


そんなこんなで連絡がとれた時に三沙さんも別の結婚式に出席するという。

これまた意外な偶然に驚いたが、好都合。

続いてバンドメンバーにも、後輩店長にも詫びを入れて許してもらった。

何はともあれライブ演奏は次の日に変更できたので良かった。

次に繁治に連絡を入れるとあいつもライブが叶わなくなったという。

しかも、あいつも結婚式の出席という。

その次に孝輔にも連絡をとると、あいつもだという。


?


結婚式のセールでもやってるのかとも思うぐらい偶然が重なり、疑問に思った。

参席者にとっても新郎新婦にとっても一大行事なのでとにかくお祝いすることにして考えるのを辞めた。

当日、式場へ訪れるとそこにはなんと

梨江子さんの姿があった。

最初は錯覚かと思ったが、相変わらず美しい姿に惚れ惚れした。

すぐに声をかけようとしたら、三沙さんもいた。

更に驚くことに、

繁治の姿、なんと孝輔も、良太郎も、青葉ちゃんも、友枝ちゃんもいたのだ。

えっ?

今日だよな?

親友の結婚式…。

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