招待状①
●月□日▼曜日
10時より
東鳳蔡邸にて
◎條 明彦
★崎 尚美
の婚約がととのいまして
結婚式を挙げることになりました
……
同封された招待状には同期の社員の直筆メッセージと御相手のツーショット写真が入っていた。
社内では続々と同期入社の面子のおめでたのニュースが駆け込んでくることに微弱ながらも焦りを感じつつも、純粋に嬉しさと末長く幸せになってほしいという素直な気持ちから二つ返事で出席に丸をつけた。
なんだかんだ仕事上でも彼には世話になっていたことだしな。
けど確か、この日は繁治と春雄が久しぶりに
HOT SOUNDSでライブのサポートゲストに呼ばれて俺と孝輔も観覧に訪れる予定だったが、
めでたい行事ごとなのでしょうがない。
二人には侘びを入れることにした。
ところが、いざ電話をかけると俺と同じように二人もその日は結婚式に呼ばれていたというのでまた次の機会にとのことだ。
同じように孝輔にも連絡をとると、あいつも結婚式の参加があり別の日にだという。
ひょんな巡りあわせに若干、奇妙な戸惑いを感じたが、結婚式は華やかに門出を祝う大切な1日だ。
場所は違っても祝う心は同じであいつらもきっとそうだと胸にとどめ、その日は終わった。
そして、いざ当日を迎えた。
同じ社内ということもあり、青葉ちゃんも誘われていたので社内の出席者と合流する途中までではあるが、二人で式場へ向かった。
だが、その場にいた出席陣には二人とも驚いた。
なぜなら皆が勢揃いしていたのだ。
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『友枝、これまで本当にありがとう。これからもよろしく!いつまでも友人でいてね♡』
招待状に書かれていた直筆メッセージには幸せいっぱいな雰囲気がこれでもかと言わんばかりに伝わってきた。
新婦とは高校生時代からの友人だ。
当時はいつでも二人で駆け抜けていた
弁当のない日の昼休みなんかは購買部まで一緒に廊下を走り抜けたり、放課後や休日なんかは色んな処へ足を運んだりもした。
卒業後は違う道を歩き出し、大学も就職してからもお互いに連絡を取り合っては、たまに時間を見つけては逢ったりもし、交流は続いていた。
そんな彼女もこれからは人の奥さんになる。
これまで以上に逢える頻度は減っちゃうけど、いつまでも彼女とは友達でいたい。
そんな思いが功を奏し、休暇が受理され、結婚式の出席に○をつけていた。
待ちに待った当日、様々な思いを胸に式場へ入るとそこには…
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新婦さんとは大学時代に利用していた喫茶店で知り合った。
彼女は当時その店でウェイトレスをしていてバンド時代にもよく一人でその店に足を運んだ。
彼女も何度か俺たちの演奏を観にきてくれたっけ。
以来、彼女とは卒業し就職するまでの間、よくお店に通い、仲良くなり今でも連絡をとりあってきた。
すごく気のきく方で入籍された時には心から祝福した。
ひな鳥が舞い込んできたように微笑ましく、
御二人の未来へ向けた暖かな期待と祝福を持参して当日を迎えた。
本来であればこの日はシゲとハルのバンド演奏を良太郎と観に行こうと決めていたのだが、新たな門出を祝う大切な一日であるのでまたの機会にさせてもらった。
シゲとハルもこの日の為に少ない時間の合間を縫っては練習をしていたと思うのだけれど次の機会にさせてもらう事にしたが、その日は二人も良太郎も同じく結婚式の出席があるそうでコンサートは後日延期になった。
奇遇なカブりに最初は驚いたが、今は結婚式シーズンだとも思ったので深くは考えなかった。
しかし迎えた当日、その時以上に驚くことになった。
なんと、その式場で3人に出会ったのだ。しかも友枝さんたちにも。
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私が今の職場に赴任してから良太郎さんに次いで
◎條さんには仕事も社内の関係もよく教えてもらったっけ。
この間までいた職場が酷すぎたからからか、◎條さんも良太郎さんも含めてこの職場は本当に居心地がいい。
今日は精一杯お祝いさせてもらおう。
新婦さんも凄く綺麗な方。
幸せになってほしいな。
感謝と祝福、両方とも同じなぐらい素直な気持ちをお相手へ贈りたい、そう心に決めた当日。
良太郎さん含め、社内の数名と式場を訪れると二人して驚いた。
そこには友枝や孝輔さんたちもいたのだった。




