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異動

6月も中旬

日中が少し暑く感じるようになってきた

今日この頃。

僕らは相変わらずの日々を過ごしていた。

書き入れ時のゴールデンウィークを過ぎてからも旅行業界は忙しい。

窓口業務に始まり、各機関との日程調整、

関係各所への手配、各支店との売上競争 等々

やることはたくさんで疲労困憊な毎日を送っている。

あの浅草事件(?)以降皆とは会ってないが、

同じように皆も忙しい日々を過ごしているみたいだ。

春雄は休日になると梨江子のアッシーを始めたみたいだ。

当の梨江子は忘れていたようだが、悪い気分はしないみたいで頻繁に移動手段に春雄を使うようになった。

春雄も喜んで請け負っていた。

孝輔は新しいプロジェクトに参加して、コツコツと毎日を過ごしている為、当分遊べない様子。繁治は建設部署とのトラブルに巻き込まれ、多方面に飛んでは対応に追われている。

三沙さんも相変わらず板挟み状態で鬱憤が溜まってるみたい、友枝さんは先輩カメラマンと張り込みで有名芸能人の不倫スクープを撮るようで大変な日常の様子。

青葉さんは別の営業所ではあるが、仕事をそつなくこなしているようだ。

皆、社会の荒波に揉まれながら、毎日を過ごしていた。

そんな中、職場である話を耳にした。

「おい、知ってるか?今度ウチに新しい人が来るって。」

「本当ですか?!」

「何でも千代田営業所から3人ぐらい異動してくるみたいだってよ」

「本当かよ。向こうの営業所こないだも人の異動があったじゃん。」

「あの営業所、大丈夫なんですかね?」

などと同僚社員たちの噂話を耳にしたが、自分には関係ない(100%とは言わない)が・・・そういえば青葉ちゃんって千代田勤務だったけ?今度、色々聞いてみようと思い、昼休みを終え仕事に戻った。


20時

入り口シャッターを閉め、店内のお客様を退店させてから、書類を纏めて帰社準備に入る。

今日は定時で上がれるなと思い、デスク回りの片付けをしていた。

最近は営業終了してからも残業が多かった為に、たまには早く帰ろうと心がけ気持ち早めに切り上げていた

そんな時、係長が声をかけてきた。

「今村くん、お疲れ様。」

「あっ、お疲れ様です。」

内心、ビクッとした。残業を押し付けられるんじゃないかと思ったのだ。

「今度ウチに千代田から数名異動してくることはもう知ってるかな?」

「あっ、はい。噂程度ですが聞いています。」

「なら話は早い。今度赴任してくる人たちの教育係を今村くんにお願いしたいんだが、頼めるかい?」

「えっ、僕ですか!?」

「嫌なのかな?」

「あっ!いや、全然嫌ではないです!!

むしろ、僕に任せてください!!(汗)」

一瞬、目がギラリと光ったのですぐに訂正した。

「いやー。やっぱりね!今村くんならきっとそう答えてくれると思っていたよ。君の普段の仕事ぶりと接客には関心してるから前から期待していたんだよ。ハッハッハッハ」

「光栄です!謹んで受けさせていただきます。(汗)」

この係長、普段は優しい口調だけど時折、権力を発揮し出す時があるから少し苦手なんだよな。

「あっ、そうだ。せっかくなのでこの機会にお伺いしますけど、千代田の方って前にも人事異動があったじゃないですか?

何か込み入った事情とかでもあるんですかね?」

「うーん、その辺は私も気にはなっていたが、詳しい事は私にも分からないんだよね。

今回の辞令は上司たちではなく、新入社員と勤務3年ぐらいの若手たちだからただの異動だとは思うが」

「あぁ、そうですか・・・」

「まぁ、来週からよろしく頼むよ、今村くん。じゃ、お疲れさん!」

「お疲れ様です。」

そう言い残し、係長は店を後にした。

なんだ、ただの偶然だったんだ。今回の異動は。

まぁ、でも下の人に仕事を教える時がようやく来た訳だし、一人前として見てもらえるようになったんだな。俺。

来週からも頑張ろう、そう決心して職場をあとにした。


それから2週間後、

待ちにまった人事異動の日がやってきた。

どんな人たちが来るんだろう、と同僚、その他社員たちが話しているの耳に入れつつ、朝礼が始まった。

開始早々、紹介が始まり会議室から新しい人が数名出てきた。

そして俺は驚愕し、小声ではあるものの思わず声を出していた


えっ!?


なんと、その中に青葉さんがいた。

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