集団散歩(1)
「ぼ・・・ぼっ・・僕は・・あっ・あ・・
あなたが!・・す・・す・・す、好きでふ! 」
「「「「 ! ? 」」」」
「 ・・・」
ドラマの告白シーンよりひどい。
この瞬間の10時間前に遡る……。
『雷門』
大きな提灯がシンボルマークの浅草の顔
鎌倉時代以降に今の場所に移り、今日に至る
「ねぇ、友枝。
どっちが雷神様と風神様だっけ?」
「左手の方が雷神様で右手の方が風神様じゃない?」
「やっぱり合ってた。
こうして見るとおっかない感じしないね。」
「そうね。」
観光客が賑わう総門の前で風神雷神像をポツンと見つめながら三沙と友枝が話していた。
そして
「楽しみ?だね。今日のミニ旅行・・」
と二人に並んでる青葉が相づちを打つ。
「そうだけど、なぜ浅草?」
「他にもあると思うけど・・・近いから選んだんじゃない?」
青葉・三沙・友枝の3人が今日のデートに先立ち、疑問を持ちながら話していた。
「悪いね。あの後、俺らで話しあった結果浅草に決まったんだ。」
「あっ!全然大丈夫ですよ。個人的にもちゃんと行ったことなかったですし。前から浅草巡ってみたかったから。
ね、二人とも」
孝輔がやさしく諭すと三沙が即座に返答した
分かりやすい態度だな。
確かに他にも候補がある中、浅草を選んだセンスを疑われるのも無理はない。
そう、何を隠そう
孝輔が浅草を最終的に決定した張本人だからである。
俺も浅草を提案したんだけど・・
「さぁさぁ皆さん、今日は楽しい楽しい浅草ツアーですよ!日頃の疲れを忘れて楽しみましょう!」
場を盛り上げる繁治を訝しげに見つめる3人
微妙な空気のまま繁治の誘導をもとに進んでいった。
・・・俺の仕事・・まぁ休日だからいいか。
門を入り、仲見世通りにむかった
「さぁさぁ皆々様方、前方に見えますわ。
かの有名な宝蔵門ですよ」
ぎこちないシゲの道案内が不慣れを強調していた。
そんなこんなで最初は微妙な雰囲気から始まった浅草探訪も徐々に盛り上がってきたのか・・・
「次は何処に行く?」
「御朱印、全部集めよう!」
「花やしきでも行く?」
思いの外楽しんでいた。
一方その頃、
「梨江子さん!次はどうします?というかここのアイスクリーム美味いですね!!」
「そうね、どこにしようか・・・決めてくださる?」
目を輝かせながら、アイス片手にデートを満喫する春雄と控えめに行き先を委ねる梨江子の姿があった。
「どこがいいかな、メリーゴーランドは人が多いし、Beeタワーは順番待ちだし・・・」
(はぁ・・つまらない。これが繁治さんとのデートなら楽しめるのになぁ・・・)
「どうかしました?具合でも悪くなった?」
「あ、いや、そんなことはないですよ!
アイスで頭が少し・・・」
「あっ、なるほどそうでしたか!てっきり楽しくないのかなって思っちゃいましたよ!」
「あはは、楽しんでますわよ……」
「よかった!」
(はぁ、疲れる・・・ん?」
「えっ?」
梨江子の視線を向けた先にあったのは
「お化け屋敷・・・」
「!?」




