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エピローグ

そこは一面白い花が咲く、比較的明るい場所だった。


「花が咲く場所もあるのですね」


ベルは下を向いて、ちまちまと手を動かしている。

「ほら」

ふわっと花の香りが鼻腔をくすぐった。

「ん、似合うじゃないか」

「花冠…作れるんですか?」


(そんな長い爪で!?)


「まあな。昔サデリンに教わった」

「ベルはご先祖様と仲良しだったのですか?」

「仲良しかどうかは分からないが、死ぬまで一緒に暮らした。俺を看取ったのはあいつだ」

「そういえば、ベルはどうしてこの世界に?」

「俺も人に嫌われまくったってことだ」

「だって悪いことはしていないんでしょう?」


ベルは寂しい笑顔を向けた。

「いいだろ、お前に会えたんだし」

高い背を屈ませて、くちづけされる。

ざっと強い風が吹く。

飛んでしまわない様に、花冠を押さえた。


「綺麗だ」

言ってベルはもう一度くちづけした。


「こんな素敵なところに連れてきてくれて、ありがとうございます」

「ん」

「また、時々来たいです」

「何度でも連れていく」


ベルは、またちまちまと下を向いて何かをやっていた。


「ほら」

薬指に花で作った指輪をしてくれた。

「ほえー器用ですね」

「まあ、ちゃんと作らせるけどな…受け取ってくれるか?」

「ふふ、ありがとうございます」

にこにこしていると、ベルが跪く。

「可愛い俺の花嫁。永遠の愛を誓えるか?」

「ええ、誓います」


ちゅっと手の甲にくちづけされる。

「このベルヴルム、尽きることない時間を貴方に捧げよう、ミネルヴァ」


ぎゅっと抱きしめられて、くるっと回転した。

たくさんの花びらが舞う。


そうして、私たちの永遠の愛は、この曖昧な地で紡がれていく。

短編小説の版ではベルヴルムと出会いませんでしたが、ダイアナの祈りに導かれて、短編版の世界線でも、いずれは出会ったのかもしれないな〜と思ったりします。

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