空行を2つ挿入すること
いままで考えてきたのは、空行を1つだけ挿入するフォーマットだった。
しかし世の中には、空行を2つ挿入する作品もあることを忘れてはならない。
今回参考にするのは、ジャンル別年間ランキングのローファンタジー〔ファンタジー〕4位(2021年6月15日時点)の『【コミカライズ決定】ハズレスキル「逃げる」で俺は極限低レベルのまま最強を目指す ~経験値抑制&レベル1でスキルポイントが死ぬほどインフレ、スキルが取り放題になった件~』である。
空行を2つ(もしくはそれ以上)挿入するのは、多くのなろう小説のフォーマットでは、時間が飛ぶ場合であろうと思われる。
しかし、この『ハズレスキル「逃げる」』では、通常の1つ空行とおなじように、2つ空行が使われている。
これは、なんのために挿入されているのだろうか?
本文を引用したいところだが、話題の性質上、引用する範囲が少し多くなってしまうので、検索して「01 壊れた世界、新たな日常」を読んでいただきたい。
まず、1ブロック3行の文章がある。
そして、重要な文章が「2つ」空けて書かれる。
その後、台詞についても「2つ」空けて書かれる。
また、通常の1つ空行も使用されており、2つ空行と1つ空行は明確に使いわけられていることがわかる。
では、2つ空行と1つ空行の違いはなんだろうか。
読んでいる側からすれば、2つ空行の文章はとても目立つ。
目立つということは重要な文章であるということだ。
なろう小説の読者は流し読みをしているため、文章の重要度をぱっと見で理解させるフォーマットが重要である。
では『ハズレスキル「逃げる」』の、2つ空行の部分に注目して、流し読んでみてみる。
すると重要なことがわかる。
2つ空行のところを読み、少し文脈が知りたかったら、1行か2行ほど戻って読めば理解できる。
そのようにして、2つ空行のところだけを読んでいけば、この話がなんの話か理解できるのだ。
この2つ空行は、1つ空行よりも重要な文章がぱっと見で理解しやすいという大きなメリットがある。
もし、2つ空行をうまく操ることができれば、かなりのインプレッションを獲得できるかもしれない。
参考
天宮暁『【コミカライズ決定】ハズレスキル「逃げる」で俺は極限低レベルのまま最強を目指す ~経験値抑制&レベル1でスキルポイントが死ぬほどインフレ、スキルが取り放題になった件~』〈https://ncode.syosetu.com/n7575gq/〉