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なにがあろうと空行

 なにがあろうと1段落につき空行を1つ挿入するフォーマットもある。


 しかしこのフォーマットを採用しているのは、ジャンル別年間ランキング上位5位(2021年6月15日時点)を確認してみてもそれほど多くはなく、たった2作品だった。


 近いフォーマットを採用しているものもあったが、なにがあろうと空行を挿入するということを徹底している作品は2作品のみ。


 近いフォーマットは以下のような差異がある。

・短い段落が続く場合は空行を挿入しない

・会話文には空行を挿入しない




 では、1段落につき空行を1つ挿入することを徹底するフォーマットは読みやすいのだろうか?

 結論から書くと、ランキングに2作品しかないことから考えると、あまりよくはないと考えられる。


 また、筆者の主観でしかないが、1段落につき空行を1つ挿入することを徹底すると、流し読みしたときにどのブロックが重要な段落なのかわからないことがいちばんの問題だと思われる。


 なろう小説を精読しているひとはかなり少ないだろう。

 多くの読者は流し読みをしていて、なろう小説のフォーマットは、どれだけ快適に流し読みをさせるかに特化していると言ってもいいかもしれない。


 1段落につき空行を1つ挿入することを徹底するフォーマットは、じつは空行を挿入しているだけで、ただの段落では空行を挿入しない一般小説とほとんど同じかもしれない。

 

 読みやすさを考えて空行を挿入することは、文章の重要度に応じて順位をつけることを意味する。


 なので機械的に空行を挿入していては、文章の重要性を操作することができない。

 1段落につき空行を1つ挿入することを徹底するということは、すべての段落を均一に扱うということなのだ。


 つまり、1段落につき空行を1つ挿入するのは、まったく空行を挿入しないのと本質的には変わらないことになる。

 ただし、ひとつの画面にたいする文章の占拠率は下がるため、その意味での読みやすさは向上するかもしれない。



余談

 一人称の小説なのに丸括弧で心情的なものを括っているものをみかけることが増えた。正直意味不明だと思うが、読みやすさの観点からいえばアリだと思う。

 台詞と心情を読んでいれば流し読みで物語の流れを追うことができる。

 心情を丸括弧で括ることで、鉤括弧と丸括弧が流し読みのためのサポーターとして機能するだろう。

 しかし、そもそも一人称の地の文は描写的なものと叙述的なものと心情的なものが溶け合ったものなので、描写と叙述と心情の明確な区別ができない。どれを丸括弧で括るのかを明確にできないという問題がありそうだ。

 いや、この丸括弧で括るか括らないかで、心情の重要度の位置づけを行っているのかもしれない。



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拙作『さよならを云って』もよろしくお願いします。
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