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贈り物

 見渡す限りの白い壁。人が十人は並んで歩けるほどの廊下には窓も装飾もなく、ただただまっすぐに続いている。どこに辿り着くのか、あるいはどこにも辿り着かないのかさえわからない、ひたすらに無機質なその回廊をトラックは進んでいた。壁も床も天井も、つるっとした継ぎ目のないパネルでできていて、仄かに光を放っている。おかげで真っ暗闇を延々と進む、なんて事態にはならないが、変わらない景色は距離感を奪い、進んでいるのかその場で足踏みをしているだけなのか、だんだん分からなくなってくる。


「よお」


 進み続けるトラックの前に剣士カイが姿を現す。……剣士カイって慣れんな。剣士でいいか、そっちのほうがしっくりくるし。トラックはカチカチとハザードを焚く。警戒している、ということだろうか。剣士は力なく笑う。そういえば、今の剣士は異形の姿ではなく、いつもの人間の姿をしていた。


「『悪魔』はいない、と言っても、信じられないか」


 剣士は床に座り込み、両手をついてトラックに頭を下げた。


「……すまん。お前を巻き込んだ」


 トラックはプァンとクラクションを返す。顔を上げ、複雑な顔をして、剣士は回廊の先に目を遣った。


「ここは『無限回廊』。かつて地獄の六王が創世神を封じたと言われ、今は惰眠王が支配する異界だ」


 神話の時代、創世神と魔王はそれぞれの陣営に分かれて戦い、魔王は神に敗れて封じられ、神もまた魔王の弟たる六王の力によって封じられた。そしてその六王も一柱の女神に地獄へと追放され、女神自身も姿を隠し、地上は神の陣営のものでも魔王の陣営のものでもなくなって、神話の時代が終わった。地上に残された人を始めとする諸族は神を失い、あるいは神の軛から逃れ、各々の意志に従って生きるようになった。それを幸福と呼ぶのか不幸と呼ぶのかはそれぞれなのだろうが。


「この『無限回廊』は、その名の通り無限に続く、どこにも辿り着くことのない回廊だって話だ。ここに囚われた者は永遠に回廊を彷徨い、少しずつ擦り切れていく。死ぬこともなく、擦り切れ果てて消えるまで、ずっと」


 回廊の奥から風が吹き、かすかに悲鳴のような嘆きのような声が聞こえる。もはやその姿さえ擦り切れた亡者の叫び。ここにいればやがて剣士も、トラックもそうなる。


「お前を巻き込んだ責任はとる。必ず元の場所に戻る方法を見つける。俺はもう戻れないが、お前はここで朽ちるべき男じゃない」


 トラックがプァン? とクラクションを鳴らす。剣士は視線を落とし、自らの胸を手で押さえた。よく見ると剣士の胸、というか心臓の辺りから半透明の黒い鎖が伸び、回廊の向こうへと繋がっている。


「……この鎖の先に、たぶん『悪魔』がいる。この鎖が繋がっている以上、俺は戻れない」


 トラックが再び疑問形のクラクションを鳴らした。剣士は目を閉じる。辛い追憶が剣士の表情に満ちる。


「お前は俺が必ずケテルに戻す。だから、約束してくれ。俺に代わりにセシリアを守ると」


 トラックのクラクションが戸惑いを帯びる。質問に対応しない答えにどう反応したらいいのか分からないようだ。剣士は目を開き、トラックを静かに見つめた。


「……ギフト、って、知ってるか?」




――贈り物(ギフト)。それはごくまれに存在する、生まれながらに与えられたユニークスキルを指す言葉なのだという。ギフトの種類は様々だが、それらは極めて強力なスキルであるという点で一致している。そしてそれゆえに、ギフトには例外なくある言葉が頭に付けられる。すなわち、悪魔の贈り物(デモンズギフト)と。


「たとえ誰かを傷つけるようなスキルでなくても、強い力はゆがみをもたらし争いを呼ぶ。ギフトを持つ者が幸福な人生を送ることはない」


 癒しのギフトを持つ聖女を巡って起きた争いは国を滅ぼし、複製のギフトを持った少年は家族に地下に幽閉されて金の複製を強いられ、やがて自ら命を絶った。ギフトが戦闘に関わるスキルならさらに悲惨だ。まるで便利な兵器のように利用され続ける。あるいは使われることに疲れ果て故郷を滅ぼした者もいた。かつて故郷だった荒野に一人、その男は命尽きるまで呆然と立ち尽くしていたという。


「俺もギフト持ちでね。おかげで、まあまあひどい人生だったよ」


 剣士が授けられたギフトは【悪魔(ディアボロ)】。悪魔の力を身に宿して剣士は生まれた。悪魔の贈り物が悪魔だなんて笑えないだろ、と剣士は笑った。その笑い顔は胸の内を隠す仮面なのだろう。彼の子供時代がどれほどに苛酷だったのか、安易に想像することもできない。


「ギフトを持った人間が最初に直面する困難は、スキルを制御することだ。言葉を覚える前からスキルは使える。乳飲み子に『適切にスキルを使え』なんてどう教える?」


 ギフトを持つ子供の大半が、赤子のうちに血縁者に殺されるのだと剣士は言った。泣き声と共に赤子の周囲で起こる不可思議な現象に恐怖し、他人に知られることを怖れ、親が祖父母が親類が赤子を殺す。それは迷信深い田舎で顕著で、場合によってはギフトを持つ子を授かった家の人間を根絶やしにする地方もあるのだそうだ。


「それに比べりゃ俺のところは穏当なほうだったんだろう。俺がギフト持ちだと分かったとき、母は離縁されて村を追放された。俺が一歳になるかならないか、くらいだったらしい」


 剣士に宿る悪魔はいかなる時も甘く囁く。欲しいものは奪え。気に入らぬ者は殺せ。その言葉が聞こえるたびに剣士の周囲で誰かが傷つき、母は剣士の手を取ってその場所を逃げ出さねばならなかった。母が剣士を見捨てることはなかったが、過酷な日々は母の心身を蝕み、剣士が五歳になったとき、病を得てあっけなく死んだ。もう何度目かの、別の町を目指して街道沿いを歩いていた、ひどく寒い日のことだった。


「……運が、よかったと言うべきなのかな」


 偶然に通りかかった旅の老剣士が母の最期を看取り、街道脇の森に埋葬してくれた。涙を流すこともなく墓を見つめる剣士に同情したのだろう、老剣士は彼の手を取り旅の供とした。ギフト持ちだと知っても老剣士は彼を見捨てず、彼に剣の技と生きるために必要な知識と、そして悪魔の囁きに抗する心の在り様を教えた。長ずるに従い剣士は己の中の悪魔を抑える術を身に着け、無暗に他人を傷つけることがなくなったとき、剣士は十二歳になっていた。


「その頃にはもう、悪魔の声もあまり聞こえなくなっていた。俺はギフトを克服した。そう思っていた」


 ある日、老剣士との旅の途上で訪れた村で、二人は一つの依頼を受ける。村にほど近い森に棲みついた魔物退治。村人に乞われて向かった魔物の巣にいたのは無数の毒蛇とそれを統べる腐竜だった。腐竜は棲まう土地と水を腐らせる。放置すれば被害はこの村だけに止まらないと悟った老剣士は腐竜に立ち向かい、見事その首を落とした。その代償に毒と腐敗の呪いを受けて。剣士は老剣士の身体を抱え、必死の思いで村まで連れ帰る。しかしそこに待っていたのは、思いもよらぬ惨い仕打ちだった。


「たぶん、払う金を惜しんだんだろうな」


 村は老剣士の立ち入りを拒み、棒で打ち据えて二人を追い払った。魔物はいなくなった。もはやお前たちに用はない。村人たちの冷たい視線が剣士を刺す。そして、声が聞こえる――


――殺せよ


 背に負う老剣士の荒い呼吸が徐々に弱まる。


――こいつらに生きる価値なんてねぇだろう?


 興味を失ったように村人たちは背を向ける。助かった、これで安心だ、得したな、と笑い合う。老剣士の腕が力なく下がる。剣士の目から涙が溢れた。


――それとも、この仕打ちを受け入れなきゃならんほど、お前たちの命は無価値なのか?


「あぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!!」


 剣士の瞳が鮮血の赤に染まる。涙がどす黒く色を変える。絶望が大気を震わせ――そこで意識は途切れた。


「目が覚めた時、周囲に惨殺死体が散乱してたらどう思う? 恐怖しかないだろう?」


 返り血に染まった両手を十二歳の少年は呆然と見つめる。息をしている者は彼以外にはいない。無数の虚ろな瞳が彼を見据える。自らの両腕を抱き、地面に膝をついて、少年は声にならぬ叫びをあげた。


「……それから後のことは、あまり覚えていない」


 村が一つ壊滅した、という噂は瞬く間に広がり、王国騎士団が調査に乗り出す事態に発展した。独り行く当てのない剣士は山に潜む。騎士団は魔獣の存在を疑い、大規模な山狩りを行った。追い立てられ、追い詰められ、姿を見つかるたびに記憶は途切れ、気が付けば目の前に死体が転がる。そのたびに、心が死んでいく。


――もう、手放しちまえよ


 頭の中で悪魔が優しく囁く。期待を、幸福を、生きることを、手放してしまえば――視界がぼやけ、意識は白に食われた。悪魔の、笑い声が聞こえる。




 次に目を覚ました時、剣士は地面に横たわり、彼の傍らには五、六歳の少女が座って懸命に剣士の頭を撫でていた。


「だいじょうぶ。あなたはわるくない」


 だいじょうぶ、わるくない、少女はずっとその言葉を繰り返す。

 だいじょうぶ、わるくない、剣士はぼんやりとその言葉を聞いていた。

 だいじょうぶ、わるくない、その言葉は死んだ心にゆっくりと染み渡り、

 剣士は、泣いた。




「それが俺とあいつ――あの方との最初の出会いだった」


 金の髪に翡翠色の瞳を持つその少女は、同じく金の髪をした三十歳ほどの男と共に剣士の前に現れたのだという。二人の後ろには銀の甲冑に身を包んだ無数の騎士が控える。


「俺を救ったのは、当時その地を支配していたセフィロト王国の王とその娘」


 身を起こした剣士に、立てるか? と言いながら若き王は手を差し伸べる。少女が立って父の足許に駆け寄った。信じられぬものを見るように剣士は呆然と手を伸ばした。王は力強く剣士の手を掴み、引っ張り上げて立たせると、安心させるように笑った。


「そのとき五歳だった王女の名はアウラ。彼女はその五年後、クーデターを起こした宰相の手を逃れ、冒険者に身をやつした。名前も、髪の色も変えて」


 剣士はじっとトラックを見つめる。


「セシリアは、セフィロト王家の最後の生き残り。正当な王位継承権を持つ、セフィロト王国の王女だ」


 な、なんだってぇーーーーっ!?


 ……


 ……ごめん。話の流れで大げさに驚いたけど、実は全然驚いてなかった。なんか、だいたい予想してた。だってもうさんざん思わせぶりなこと言ってたもんね。そもそもセシリアとトラックが最初に会ったとき、俺は彼女のことを『さりげない所作から感じられる気品はこの少女の高貴な出自を想像させるが、一方で子犬のような可愛らしさ、無防備さもまとっている』って評価してるからね。もうすでにこの時点で王女だよね。ここまできたらもう王女くらいじゃ足らないよね。実は宇宙人でスーパーロボットの操縦者だ、くらいじゃないと驚けないよね。トラックがややためらいがちにクラクションを鳴らす。


「驚かないとはさすがだな。おおよそ気付いてたか」


 感心したように表情を緩め、剣士は話を続ける。


「何の気まぐれか王は俺を城に招いた。王女に、アウラ殿下に仕えよ、ってな」


 どこの馬の骨とも知らぬ者を王女の傍に置くなど正気かと周囲は一斉に反対したが、王はまるで気にする様子はなく、何より王女自身がそれを望んだことで、剣士は王女の側仕えとして城に住むことになった。だが慣れぬ城の生活は戸惑いの連続だった。


「……戸惑って、いや、ためらっていたんだ。俺が関わると、皆が不幸になるんじゃないかって。だが、あの方たちはまるでそんなこと気にしなかった」


 己の中の悪魔に怯えて人から遠ざかろうとする剣士の手を掴み、王は日の当たる場所へと導く。私が不幸に見えるかね? と笑う。おてんばな王女は逃げても逃げても必ず彼の居場所を見つけた。置いていくなんてひどいです、と頬を膨らませ、逃げないように袖を掴む。そんな日々を重ねて、剣士は少しずつ、変わっていく。

 王女の傍らに控えるならと剣士を騎士の家の養子とする話も持ち上がったが、剣士はそれを頑なに固辞し、彼は不安定な立ち位置を貫くことになった。何者かはよくわからないがいつも王女の隣にいる、ということで、彼は周囲から『王女殿下の隣にいる人』と呼ばれるようになった。


「殿下の供でいろいろな場所に行った。貧しい者たちが住む場所。病を得た者たちがいる場所。殿下は彼らの話に耳を傾けていた」


 王女のそんな姿を間近で見ているうちに、彼の中で一つの想いが生まれる。城に来て五年の月日が経った時、剣士は意を決して王女に問うた。


「悪魔が誰かを助けたいと言ったら、おかしいだろうか?」


 十歳になっていた王女は小さく首を横に振る。


「何もおかしくはありません」


 他に誰が立ち入ることもない王城の中庭には柔らかな日差しが降り注ぎ、鮮やかな緑を清かな風が揺らしている。王女は剣士の目の前に立ち、傅くよう告げた。戸惑いながら剣士は膝をつき、頭を垂れる。


「汝、今この時より、剣と忠誠を我に捧げよ」


 剣士が顔を上げる。王女はいたずらっぽく笑っていた。剣士も少し呆れたように笑って、剣を水平に捧げ持つ。王女が剣に右手を添えた。ままごとの叙勲式。風が止んで、荘厳な冗談を静謐が祝福する。


「私を、守って」


 他の誰にも知られることのない約束を交わして、彼は彼女の『騎士』となった。




 しゅ、


 主人公設定――――っっ!!

 明らかに主人公設定だよ! 間違いなくお前が主役だよ! トラックに「セシリアを頼む」とか言ってる場合じゃないよ! それはお前の役割だよ! 何を人生悟ったようなこと言ってんだ! 座長としての自覚を持て! 主役が折れたら現場は崩壊すんだぞ!

 いいかよく聞け。お前は、こっからなの! こっから人生大逆転なの! お前はセシリアを守るし、お前自身も幸せになんの! 辛い運命背負って生まれて、辛いまま人生終わりました? そんな話誰が見たいんじゃクラァッ!! 報われるべき者が報われずに、救われるべき人が救われずに、何のためのファンタジーじゃぁ!! もしこのまま剣士が自分を犠牲にしてトラックを『無限回廊』から脱出させました、なんて展開だったらなぁ、俺は断固脚本の修正を要求する! 場合によっては力づくでな!


『いーいこと言いますねぇ』


 うおっ! 急に出てくんなヘルプウィンドウ! もはやヘルプと無関係に出てきてるじゃねぇか!


『まあまあ、そう言わずに』


 俺の非難をさらりと受け流し、ヘルプウィンドウはトラックのほうを向く。トラックは剣士の言葉にじっと耳を傾けている。


「剣に誓った約束を、俺はもう守れそうにない。だからお前に託したいんだ。お前なら彼女を守ってくれる。そうだろう?」


 承知してくれることを確信した瞳で剣士はトラックを見ている。トラックは答えず、代わりに【念動力】を発動して、剣士の心臓から伸びている黒い鎖を持ち上げた。剣士が訝しげに眉を寄せ――


――ズガァァァーーーーン!!


 轟音と共に『無限回廊』が揺れる。トラックの放った【怒りの陽電子砲】は黒い鎖を直撃し、しかし傷一つ付けることはできない。ぐぬぬと悔しげにトラックはハザードを焚く。


「そんなに簡単に切れるわけないだろ。それにその鎖は俺の心臓に繋がってるから、衝撃が――」


 胸を押さえる剣士の言葉に耳を貸さず、トラックは【心霊手術】で鎖の切除を試みる。キーキーと金属を削る音は聞こえるものの、切り離せる気配はない。


「いや、だから、繋がってるから」


 トラックは【念動力】で鎖を振り回し、壁や床に叩きつける。ガチャンという金属音が響き、「うぐぉぉ」と剣士が苦しげなうめき声をあげた。鎖が壊れる様子はない。トラックは再度鎖を振り上げ、剣士がたまりかねたように叫んだ。


「いい加減にしろ! 殺す気か!?」


 剣士の剣幕にトラックはプォンと言い訳がましいクラクションを返す。剣士は額に青筋を浮かべてトラックに詰め寄った。


「鎖は俺に繋がってるって言ってんだろ。助けたいのか殺したいのか、どっちだ?」


 トラックは慌ててプァンとクラクションを返した。


『トラックは彼を助けようとしていますね。自分だけ助かろうなんてまるで考えていない』


 当然だろ。五年も一緒にいた俺の相棒だぞ。こんなところで仲間を見捨てるような子に育てた覚えはありません!

 ヘルプウィンドウは俺を振り返り、ウィンドウの枠を緩ませる。


『あなたのその善良さがトラックに力を与える。どうか覚えておいて。あなたの願いが世界を変えるの。管理者の軛を解き放ち、この世界を真に自由にする。その時はもうすぐ近くまで来ている』


 な、なんか思わせぶりな発言。どういうこと? 管理者って、剣士に憑いた悪魔も言ってた気がするけど……


『あなたを選んでよかった』


 微笑むようにウィンドウが揺れ、ヘルプウィンドウは姿を消した。また言いたいことだけ言って消えやがった! なんなんだまったく。っていうか、選んだ、ってことは、つまり……


 俺、ヘルプウィンドウに異世界召喚されとったーーーっ!! 女神とかじゃなくてヘルプウィンドウに召喚されとったーーーっ!! どういうこと!? 俺の立ち位置、ますます分からん!


「やれやれ、騒がしいのぅ。おちおち寝てもおれんわ」


 ぎゃあぎゃあと言い争っていた剣士とトラックに、眠たそうでやる気のなさそうな声が掛かる。ふたりは声の主を振り返った。そこにはいつの間にか十歳くらいの男の子がいて、大きなあくびをしていた。


「子供……?」


 混乱した様子で剣士がつぶやく。男の子の足元でリスギツネがクルルと鳴いた。

惰眠王の支配するこの『無限回廊』で唐突に現れた子供らしからぬ口調の眠たそうな男の子の正体とは!?

こいつはまったく想像すらできないぜ!

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― 新着の感想 ―
[一言] >ウィンドウの枠を緩ませる。 多分小説史上初めての表現( ˘ω˘ )
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