コンビニでバイトしてる君
7月14日、
私は、22歳になった。
古びたアパートで、一人コンビニで買ったケーキを黙々と食べる。
親から貰った誕生日プレゼントの中身は何故か30万だった。
いらないのに。と思いながら戸棚に入れこんだ。
誕生日のイベントというのは、友達と集まってワイワイするのが通常と聞いた。
私もそうなるのかなぁーと、小さい頃は思っていたが
そんなことなかった。祝う人など誰もいないし、祝われる覚えもない。
【孤独】というのだろう。
でも、そんなのは私の今までの行動のせいである。
人とは関わらない、物事、人物に対する関心が無い、感情が何処か欠如している。と言うこと。
十分わかってる。
しょうがないだろ。興味がないんだから。
退屈で、飽きてきたこの世界はもう何処かが狂ってるのではないのだろうか。
狂ってるから、こんなつまらない日が続くんだ。
ハプニングなんて全然起きない。
予想外の行動をするやつも身近にいない。
いっそ、殺人事件か何か起こればいいのに。
そうしたら、きっと楽しくなるはず。
私が被害者になればより一層楽しくなる。
そう思っても、何も変わらないのが現実だけれど。
………………
「いらっしゃいませ。」
コンビニでバイトをしている私は、この言葉を嫌というほど言っている。
もう口にもしたくない。飽きた。
でも、この言葉以上に嫌な奴がいる。
「ねぇ、スマイルください!」
馬鹿みたいな笑顔で言ってくるコイツ。
毎日毎日、この店に来てはホットココアとメロンパンを持って、私のいるレジに並んでくる人。
まぁ、所謂イケメン、と言う奴なのだろうか。容姿は整っている。
猫っ毛だろうと思われる茶髪の髪がフサフサしてて鬱陶しい。
しかも、意味のわからないことを時々言ってたりして、気味が悪い。
「当店ではそのようなサービスはしておりませんので。
早く帰ってください。他のお客様に迷惑です。」
そう言って彼を店から追い出した。
ここ3週間ほどこれがずっと続いている。
ここはもう早めに切り上げよう。気味が悪い。
仕事をつづけた後、店長に言って、帰る支度が終わったときには、アイツが来てから2時間は経っていた。
経っていた、ハズ。
「あ、こんにちわー!」
「え、」
スタッフ用の出入り口の前でアイツが立っていた。
「どうして、ここに?」
「名前、聞いてなかったなぁーって思って!」
ニコニコと私の横に来るコイツは頭がおかしいのだ。
名前なんて言うものか。怪しすぎるだろ。
無視しよう。コイツはいない。ここには居ないんだ。これは幻覚。
さあ、帰ろう。