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レモンとシーサイド  作者: 双千夜アリア
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柑橘系の君

 

私はレモンだ。黄色くて酸っぱいレモンだ。

酸っぱくて、種類によっては甘みもあって、苦味も…

まさに、私が経験できなかった、青春と言うのもレモンみたいなものなのだろう。



もう、何年前の話だろうか。



私は、人から嫌われていた。当たり前のように、性格からだ。

容姿端麗というのだろうか。私はその部類に入っていたようだけれど、

性格がどうしようもなかった。



私自身も気づいている。こんな性格では駄目だと。


でも、性格というのは幼い頃からの癖の塊のようなもの。簡単には変えられない。

 


私は、ゲーム以外の何事にも興味がわかなかった。

恋愛も、学校行事も、喧嘩も。

ただのゲームみたいなものに過ぎないと感じていた。

選択肢を間違えれば好感度が落ち、当たっていれば上がる。

一年の中に決まったイベントがあって、それを攻略するため皆一生懸命やっている。


そんな世の中に飽きてきてしまった。

特別驚いたことも起きない。つまらない。


そんなとき、いつだっただろうか。確か、体育祭のとき、

ある事をクラスメートから言われた。


「もうさ、いっそ死んじゃえば?」


飽き飽きした表情でクラスメートは言った。

そうか。君も飽きてきてしまったんだね。そう思った私はクラスメートに言った。


「私も、飽きてきているんだ。一緒だね。」


そう言ったら、一緒にしないで。と言われた。

不思議だと思った。こういうときは、こう言うのが一番良い選択だったはず。

他に言うのだったら、


「なんでそういうこと言うの?」


だったか?いや、そういうのは求めていないのがクラスメートの表情から見て取れる。

このクラスメートはクラスの中でも、一軍のメンバーのトップだった気がする。

反論したら、身を滅ぼすのがわかる。


しかも、それにまた反論され、口喧嘩になり、大事になるのが目に見える。

私はそういうのが嫌いだった。

だからそっと、その場を立ち去った。




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