二日目
日焼けの痛みで起きました。
俺の白かった肌はもう痛ましいくらいに真っ赤かです。
切り傷のかさぶたもすっごい痒いし、足はもうなんかやばい。
それより、起きたらなんとあったんす!
神様からの反応!
日焼けで真っ赤かの肌の具合を見てたら、所々焼けてないところがあったのよ、腕とかね、太ももに。
これなんと文字に見えるじゃありませんか。
これを体の上の部位から見ていくと……
『ロリンヌ』
多分これ、ここを目指せってことなんじゃないかな。
昨日はハード系とか言ったけど、ソフトだったわ。
目標が出来たからにはやるしかねぇ!
とりあえず今日はこの草原を抜けたるわ。
さぁ、往くぞ『ロリンヌ』
あと、水。やっぱ、流石にそろそろまずいわ。
えっさこっさと歩き続け、頭上に二つ目の太陽が上がる頃、ようやっと草原地帯が終わりを迎えた。
ありがたいことに、途中で何度か大きめの水溜まりを見つけることが出来てなんとか水分も補給できた。
しかし、意外と狭かったな、多分俺以外の人だったら半日あれば抜けられたんだと思う。
引きこもりは体力低いからね、まぁ俺は知力極振りだから気にしてないけど。
まぁ、とりあえず草原は抜けたんだ、次の目標はこの目の前の山越えだな。
そう、目の前にはでっかい山がある。
人の道なんて整備されていない、もう本当に自然いっぱいの山だ。
心が折れそうだ。
引きこもりに山越えなんて無理じゃん。
一般ピーポーでも山登りってキツいんだよ。
標高の低い整備された山だって、準備を怠ると命取りだ。
ましてや、引きこもり俺。
パンツを足に巻き付けてるだけだよ。
どうすっかなぁ。
山を迂回して行く場合は草原を歩き続けるしかない。
しかし、困ったことに草原には食料になりそうなものがほとんどなく、食えそうなものといったらたまに寄ってくるキモい虫くらいだ。
山に入る場合は遭難の危険大だが、食料を賄える可能性がある。
終わったわ、俺の異世界生活。
もはや、山を迂回しこのまま獣もいない草原をさ迷い飢えて死ぬか、山に入り死ぬかの二択っすわ。
あぁ、俺の人生なんだったんだろう。
飯食ってうんこするだけの人生だったわ……
うん、これは山に行くしかないだろう。
せっかくの異世界転移だ、俺の新たな人生はここから始まったのだ。
俺にチートはないが、神様のご加護を信じていくしかない。
頼むぜ、異世界転移の神様。
死んだら次はラブコメの世界に飛ばしてくれよ。
山はいいぞー。
木々の間から差してくる木漏れ日は、腐れ切った精神を浄化してくれるようだ。
ゴツゴツとした木の幹は、ほんのりとした暖かさで俺を癒してくれる。
登った大樹の枝の上にしがみつきながら、動物達の鳴き声をBGM替わりにして、現実逃避と言う名の優雅な一時を過ごす俺。
眼下では、飢えきったハイエナ擬きどもが涎を垂らして俺が落ちてくるのを今か今かと、待ちわびてる。
加護なんてなかったわ。
草木を掻き分けて山に入って数刻、棒のようになった足を引き釣りながら、順調に先を目指していた矢先にこいつらが現れた。
やばそうだったから、物音が聞こえた瞬間、死に物狂いで大樹に登って正解だったわ。
あんときの俺の身体能力はもはや原始人並みだったね。
火事場の馬鹿力ってあるもんなんだなぁ。
まぁ、足の爪剥がれかけてめちゃくそ痛いけど。
俺の足はもはやボロボロだぞ。
しっかしこいつらどうすっかね。
さっきからぐるぐる唸って、ずっと木の周りうろちょろしてる。
登ってこれないのか、ざまぁみやがれ。
何度か木に飛びかかってきてる奴もいるが、全然俺の方まで届いてない。
ふん、虚しい努力だな。
諦めてどっかいけばいいのに。
俺の思いも届かず、やがてハイエナ擬きはうろちょろすることもやめて大樹の根っこにもたれ掛かって休み始めた。
こいつら……俺が降りるまで動かないつもりだな、もう怒ったわ。
しがみついていた太い枝に立ち上がると、股間のホースを向けやる。
ワンコロが、人間様を舐めるなよ。
俺は寝転んでいたハイエナ擬きどもに、放水を開始する。
数体の胴体にヒットした俺の聖水はなかなかの威力だったようで、ハイエナ擬きどもは素早く身を起こすと、跳ぶようにして大樹から離れた。
ふはは、思い知ったか。
痛い思いをしたくなければ立ち去るのだな。
だが、すぐにハイエナ擬きどもは大樹に近寄ると、オレの聖水の跡を避けて先程と同じように寝転び始める。
これ詰んでね?