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クロム視点

暑い日だった。


やけに精霊たちが騒ぎ、森に誘うので業務を中断し

屋敷の裏の森に足を運んだ。


そこで見つけたのは、始祖のお姿をした小さな女性だった。




ここは獣人たちの住む国だ。


獣の力と人の知識を持ち合わせたこの国は最大の勢力を持っていた。

ただし昔の話だ。

人と獣を混ぜ合わせすぎて、獣の姿を持っているものは

ほとんどいなくなっていた。

人の血が強すぎたのだ。

その結果、国から獣が消えた。

今現在は人のみとなってしまったのだ。

それでも時々先祖返りの者が現れている。

一部でも獣の姿が現れると貴重な人物となる。

そういう者は国が保護することになっている。

が、どの世界にも闇は存在するもので、先祖返りしている貴重な人物を

コレクションしたがっているものの間で高額で取引されているのが現状だ。


そんな中での完全なる獣の姿の女性。

それもはるか昔、書物でしか見たことが無いが

「犬」と呼ばれていたとても愛らしいお姿。


一目で心を奪われた。

完全なるお姿は、こんなにも可憐なのか。


あぁ、黄金にも勝る栗毛色の毛

まんまるで大きな黒目

くるりと丸まって感情豊かな尻尾

思わず顔を埋めてしまいたくなる白いお腹


思わず不用意に声をかけてしまい、怯えさせてしまっただろうか。


どうしてこんな場所にいるのでしょうか。

何故、お一人で倒れているのでしょうか。

神が私たちのために遣わせてくださったのでしょうか。

私が触れてもよいのでしょうか。


この奇跡が夢ではありませんように。



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