現実もたまに甘い
メッセージを送った日、成瀬さんは仕事帰りにお見舞いに来てくれた
有名店の限定プリンを持って来たかったけどって苦笑しながら
コンビニのプリンを差し入れてくれた
「プリン好きだって言ってたよね?」
言ったことあるけど、あれは夢の中の話で…
「とろけるプリンも良いけどやっぱりスタンダードが最強ですとか言ってたよね」
だからそれは夢の中で言ってた話で…
「焼きプリンの上の部分がたまらないとか熱く語ってたよね」
だって夢の中だったから…
「皆藤さん 戻ってきてくれてありがとう」
…何故?
「夢で会えるのも素敵だったけどやっぱり現実で話したかった」
どうして?
「それ 夢でも聞いてたよね」
答え…聞いてない…
「あぁ そういえばそうだね」
どんなに君を好きなのか教えてあげるって言ったよね
そう言って私の唇に優しくキスを落としてくれた
更に混乱する私を見てクスッと笑い
「病院だからここまでだね 残念 続きは退院してからね」
と言いながらもう一度チュッと軽くキスをしてきた
なにこの流れ 流れる様な展開…
これがリア充?リア充スキルなの?
私ついていけないんだけど…
でも、これだけは言わないと
成瀬さん 好きです
私も夢だけじゃなく現実で会いたかったから
帰ってきちゃいました!!
かなり勇気を出して言ったけど
「知ってた でも直接言ってくれて嬉しい」
、
そう言ってクスッと笑われてもう一度キスされた
…っこれだからキラキラ集団は嫌いだ
…好きだけど…
※※※
程無くして退院を言い渡された私は
また雑用を淡々とこなす地味な会社員に戻った
ただ一つ
キラキラ集団のリーダーが彼氏という
全然地味じゃない項目が加わった
このキラキラしい彼氏は
簡単にキスはしてくるくせに
いまだに名前で呼ぶのを恥ずかしがるとか
ちょっと意味がわからないことを言ってるが
とにかく私を甘やかしてくれてくれる
流石に会社では控えてくれるけど
甘やかしてくれなくていいから
社外では名前で呼んでほしいって言ってみようかな
そう思いながら今日も満員電車に乗り込んだ
現実はあちらの世界みたいに溺れそうなくらい優しい世界じゃないけど
私にとっては十分甘い世界に変わったのかもしれない
次で一旦完結とさせていただきます。
あと一回お付き合いくださいませ。




