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これからも柴犬をよろしくお願いします

神様は私のお願いを聞いてくれて

両親と成瀬さんの夢に繋いでくれた


ただし、事故直後に時間は巻き戻り、元の世界の私は即死状態になると言う

つまり、夢で会いに来てくれていた成瀬さんは存在しない

それでも成瀬さんに会いに行くかと聞かれたが

私は頷いた

成瀬さんは覚えてなくても私は助けられていた

だからお礼だけは言いたい


※※※


まずは両親へ繋いでもらった


夢の世界は懐かしい実家のリビングだった

いつも私が好んで座っていた一人掛けのソファーで待っていたら

両親が現れて私の傍に駆け寄ってくれる

二人とも静かに抱きしめてくれた

うっかりもので先に死んじゃってごめんなさい

でもね 私別の世界に生まれ変わってお嫁に行くのと言ったら

怒られた

そして泣きながら…笑ってくれた…

親不孝な娘でごめんなさい

ばかな娘でごめんなさい

そう謝ったらまた怒られた

私たちはいつでもお前のことを思っているよ

いつまでも大切な娘なんだから

傍で見守ることは出来ないけど

好きなように進んでいきなさい

私たちは応援しているよ


暖かい言葉に包まれて

両親との再会と別れは終わった


※※※


成瀬さんとの再会はやはりいつものリフレッシュルームだった

いつもは成瀬さんが待っていてくれてたのに

今回は私が待った

いつもどんな気持ちで私を待って居てくれたんだろうと思うと

少し胸が痛くなった

程無くして成瀬さんは現れた

キョロキョロしている

なんか可愛い…

直ぐに成瀬さんは私を発見してくれた

そして抱きしめられた

成瀬さんは…泣いてた…


皆藤がケガしたって聞いた

そして亡くなったとも…聞いた…嘘だよな?

今こうしているもんな?


私は静かに首を振った

そしてお礼を言う


本当だよ

でもね別の世界で生きていけることになったの

それも成瀬さんのおかげだよ

成瀬さんが励ましてくれたから

毎日会いに来てくれたから

心が保ててた

ありがとう

本当にありがとう


成瀬さんはなんのことかわからず首を傾げたが

かまわずにお礼を言った


成瀬さんの手首に目をやると

いつも巻いていた赤いリボンが目に入った


私の視線に気づき、なんだこれ?

って再び首を傾げた


それを私がするっと解く

きっとこれが媒体

私が最初にクロムさんに貰ったリボン

もう成瀬さんは私に会う必要は無くなるはずだから

返してもらう


そして再び成瀬さんを見つめお別れを言う


成瀬さん元気でね

そしてこんな私を心配してくれてありがとう


皆藤、俺、皆藤のことを…


成瀬さんが言葉を発する前にタイムリミットがやってきて


夢から覚めた



※※※


ちゃんとお礼言えた

お別れも言えた


心残りは完全には無くなっていないけど

これで私はここで生きていく決心はついた


神様ありがとう



そして後ろを振り返る


そこにはクロムさんが居た

にっこりと笑って私を見つめてくれている


走ってクロムさんの腕に勢いよく飛び込んだ


「クロムさん 私をお嫁さんにしてください!!」


今は柴犬じゃないけど気持ちは犬になっている

それを難なく受け止めてくれてギュッと抱きしめてくれた


「はい リン様 喜んで」


それにしてもプロポーズは私からしたかったのですが

先を越されてしまいましたね


そういいながら私の唇にキスを落としてくれた


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