分岐 クロムルートへようこそ
思った通り、満月の月の元、神様がやってきて
私に問う
すぐさま私には決断は出来なかった
元の世界で心配をかけている両親
夢の世界で毎日会いに来てくれた成瀬さん
その人たちが待っているというのに
何故私は直ぐに帰るという返事が出来ないのだろう
その答えはわかっている
こちらの世界に好きな人が出来てしまったからだ
こちらの世界に放り出されてすぐ保護してくれた人
優しい手を持っている人
私を見つめてくれる人
いつも私の傍にいてくれる人
柴犬の私でも人間の私でも好きだと言ってくれる人
私の心にいつの間にか入ってしまった人
元の世界に帰ってしまうと
もう彼に会えない
元の世界へ帰る決断を拒ませる
彼に会えなくなる
たったそれだけなのに、待っててくれる人たちと天秤にかけて
足止めさせてしまうなんて…
「神さま お願いがあるんです」
私が答えを導き出すには必要なこと
「成瀬さんみたいに私を両親の夢に繋いでくださいませんか」
お礼とお別れをいいたいんです…
今まで大切に育ててくれてありがとう
それと心配ばかりかけてごめんなさい
私異世界にお嫁に行くだけだから、悲しまないで
大好きだよ
お父さん、お母さん
成瀬さんにもお礼を言いたい
毎日会いに来てくれてありがとう
貴方のおかげで私、元の世界のこと忘れずにいられた
心を保てた
本当にありがとう
それと…
成瀬さんに相応しい人は私じゃないよ
それが言えたら答えを出します
※※※
こちらの世界に残りますか
→YES
NO




