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銀髪三つ編みさんと金髪サラサラさん

銀髪三つ編みさんに通された部屋は

中世ヨーロッパ風のモダンな立派なお部屋でした…まる


本当に私語録が無いな。


「さて、お嬢さん、何故あなたのような可愛らしい方がお一人でここに?保護者の方は?」


柴犬な私を立派なソファーに座らせて本気で話しかけてくる銀髪三つ編みさん。

いやいや、犬な私に真剣に話されても、答えられないですがな。


部屋に向かう途中、廊下にあったバカでかい鏡でちらりと自分の姿を確認したら

くりくりの黒目とほわほわのくりんとしたしっぽがチャームポイントの

マジで子犬の豆柴だったよ。


驚いてじたばたしちゃったけど、銀髪三つ編みさんは

がっちりと支えてなでなでしてくれた。

優しく、大きな手だった。


それは余談として、銀髪三つ編みさんの問いかけに私は

コテンと首をかしげることしが出来なかった。


これは瀕死な私が見ている夢だと思うんです。

だから柴犬になってここにいると思うんです。

腹空いてた時事故にあったから…チロちゃんのこと考えてたから…。

です、違ったら…違ってたら…私が聞きたいです。

何故ここにいるんでしょう?

何故犬なんでしょう?

どうしたらいいのでしょうか?

私、どうしたら?


泣きそうになって声が出た。


「くふぅ…」


やっぱり人間の泣き声じゃなく、犬の鳴き声になった。

悲しい…。

両足の間に顔を入れうずくまってしまう。

すると銀髪三つ編みさんが、がばっと立ち上げり

柴犬な私を抱きしめてくれた。


「大丈夫です。私があなたを娶りますから。あなたを一人にしませんから」


あれ?気持ち通じる?

でも微妙に通じてない?

てか娶るって何?

どんだけ動物スキーさんなの?

銀髪三つ編みさんは柴犬相手に何を盛り上がっているの?

シリアス引っ込んだよ。

涙も出なかったよ。


銀髪三つ編みさんに情熱的に抱きしめられ(ただし私柴犬)

いきなりプロポーズもどきをされている時(ただし私柴犬)

正面の立派なドアが勢いよく開き、金色の髪の王子さまみたいな人が

入ってきた。

おぉ急にバタンと大きな音が聞こえたからびくっとして

耳がペタンとなったよ。


「おい!クロム!!始祖の血を引く姫君を保護したって本当か?!」


「…はぁ、まったく乱暴ですね、アルは。お嬢さんがびっくりして怯えているではないですか。」


入ってきた金髪王子さま(推定)が

銀髪三つ編みさんの腕の中でビクビクしている私を覗き込んできた。

ため息をつきながら、私を落ち着かせようと撫でてくれた。

相変わらず優しい手だ…。


本当にここは何なの?

日本ではないことは確かだよね?

夢なら早く覚めて…







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