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お月様は見てくれない

満月の夜の晩

そっと館を抜け出し、とことこと中庭に出た

ドアが少しずつ開いていたから、中庭に出るのは楽勝だった

ってマジで誰よ?

怖いから姿見せてよー

って心の叫びを今日も発するが、誰も姿を見せてくれない

マジ解せぬ




前回みたいに雲は出ていない

ほどなくしてキラキラと自分の体が光る

そしてあの感覚

2回目とはいえ、血が逆流しそうな感じは不思議としか

言いようがない


…そして、皆藤凜の姿に戻る


手をまじまじとみてニギニギしてみた

うん 人間!

ついでに顔も触ってみる

うん 凹凸すくない安定の日本人顔!

ちょっとがっかりするも安心

多分間違いなく自分の顔だろうから…

最近、クロムさんとか王子さまとか成瀬さんとか

イケメンしか見てないからねー

平凡万歳ですよ…



満月に照らされながら神様と大精霊様を

ぼんやりと待ってみる


……

………来ない


人間の姿に戻っても神様待つしかやることないんですけど…

この姿でクロムさんのところ行けないね


それに何故柴犬なのか聞いてない

あと向こうの世界の私の状況教えて欲しい

…さすがに夢の中の成瀬さんに聞けないし


今日は来ないのかなー?

特に約束とかしてないしね


諦めて戻ろうかな

物陰に隠れて月の光遮れば柴犬に戻れるよね?

って思ったところで自分の発言に気付いて苦笑する


柴犬に戻るって何?

今の体が本体なのにね

すっかり柴犬の姿が板についたってことかな?


でも…この世界だと柴犬じゃないとダメなんだ

あぁでもこちらの柴犬は人間の姿にもなれるようなこと言ってたっけ?

喋れるとも

それでも…

私の…凜の姿だときっとここまで大事にされない

それだけはわかる


ギュッと手を握り月を睨みつける


どこにも持って行きようがないこの複雑な気持ちを

叫んで神様にぶつけたいけどそれはお門違いだ

私は助けられた側の人間

恵まれてる

今なにが起こっているのかわからなくても…だ


軽く深呼吸し、乱れた気持ちを立て直し

館の方へ向かおうと踵を返したところで

足音に気付く


ん?遅れて神様登場?

大分遅刻ですよー


そう茶化しながら振り返ったそこには



クロムさんが居た





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