キラキラ集団リーダー 成瀬視点3
「だから またね」
会える時間のタイムリミットが近づいているのを感じ
そう告げた
俺が持っていた彼女の持ち物だったらしき赤いリボンに
手を伸ばそうとしているのが最後に見えたが
悪い これは渡すことはできないんだ
これが無いと彼女と会えることが出来なくなりそうだから
唯一の繋がりだと思っている
焦ってこちらに手を伸ばしている皆藤の姿を最後に目に焼き付け
俺は現実の世界へと戻ってきた
ふと何時間くらい会えてたのだろう?と思い
ベッドの横に転がしておいたスマホを手に取り
時間を確認した
…午前2時
ベッドに入ったのが0時だったから
会えてたのはたったの2時間かよ
けち臭いな 自称神様
短い時間だと言ったけどせめて朝方まで
会わせろよ
と一人毒づきながら逢瀬の時間を思い出し
ベッドに再度横になり目を閉じた
相変わらず俺を見るときはちょっと困ったような笑顔になるね
俺の事苦手?
だとしても諦めて俺に慣れてね
実は君がコーヒー苦手なのは知ってたよ
ってこれ言ったらストーカー疑惑つけられたかな?
オープンカフェでマックブックとか変なイメージ持たれてたのは
ちょっとショックだったよ
ちょっとインテリで嫌味系な奴っぽくない?そのイメージ
………お布団の話題出てきたときは
ちょっとヤバかった
真っ白なシーツの上で
ふわふわの布団に包まれて眠っている彼女の姿を想像した
可愛すぎてマジでヤバい
そんな彼女を抱きしめながら一緒に眠れたら
どんなに幸せだろう
真っ白なシーツに波打つ彼女の栗毛色のふわふわな髪に指を絡めて
大きな黒い瞳に自分の姿を映して
小さくてぽってりした桜色の唇にキスを落として
俺が会話の最中に、そんな想像をしているだなんて
欠片も思っていないだろう皆藤を、愛し気に見つめていた自分を思い出す
…思春期真っ最中の中学生みたいだな
明日会えたら何を話そう
取り合えず変なイメージ取り除いてくれたら嬉しいな
そう思いながら赤いリボンを握りしめ、再び眠りについた




