新しいリボンも素敵です
暫くお布団の中で、ぼんやりと転がっていた
気持ちを整理するため、ぼんやりと考えていた筈なのに
気が付いたら二度寝していた
このお布団なんて恐ろしい子!
…二度寝の時には成瀬さんは出てこなかった
んー色々考えてもわからないものは
しょうがない!
うじうじ悩むのは柴犬には似合わないよね
よし!リボン探しに行こう
そしてクロムさんに謝ろう
そう考え勢いよくベットから飛び降りた
かっこよくシュタッと降りたかったけど
ぼてっと落ちたのはご愛敬
そのまま扉の前まで行くと
スッと音もなく開いた…
本当になにこれ怖い
自動扉なわけないよね?誰?誰なの?
姿を現して?
そのまま扉を出て急いで周りを見渡したけど
誰も居なかった…
…ここの使用人さん達はジャパニーズ忍者なの?
謎は深まるばかりですよ
※※※※※
結局赤いリボンは見つからなかった
昨日落としたであろう場所をぐるぐると探したけど
何処にもリボンは落ちてなかった
その場で呆然と立ちすくんでいたら
クロムさんが来たのですぐさま傍に飛んでいきごめんなさいの意味を込めて
土下座した
これぞ日本の心意気だ
言葉で伝えられないのなら態度で示すのみ
ただ犬が土下座したら
傍から見たらただの伏せにしか見られないのは
盲点だったよ…
土下座がダメなら、あと誠意が伝わりそうなものは
何かないかと考えていたら
優しく大きな手が私の頭に降ってきた
「そんなにしょんぼりしてしまってどうされたのですか?あぁリボンがありませんね。
もしかしたら、それを気にされているのでしょうか?」
そう!そうなんです 本当にごめんなさい
「くぅーん」とごめんなさいの意味を込めて大きな手にすり寄った
その瞬間クロムさんの手がびくっと一瞬固まり
もう片方の手で自分の顔を覆い隠し、ぶつぶつと何かを呟いてた
…やっぱり怒ってる?
そっと様子を伺うように片手で隠された顔を覗き込もうとしたら
大きなため息をつかれた
少し顔が赤くなっていたように見えました
怒りで顔に血がのぼったのですね わかります!
そしてそのため息、ダメ犬な私に呆れたのでしょうか?
もしかして近づかない方が良いですか?
どうしていいかわからずにクロムさんの周りをぐるぐると回りながら
時折クロムさんの顔を覗き込むのを繰り返す
すると突然ガシっとクロムさんに抱きしめられた
大きな腕の中に囲われる
おわっびっくりしたよ!!
「あぁなんて可愛らしいのでしょうか本当に!!どこまで私を夢中にされたら
気がすむのですか。」
…クロムさんて本当に犬スキーなんですね
ギュッとされて、ちょっと苦しいですけど甘んじて受けましょう
「リボンのことでしたら、なにも気にされる事などありません。
また新しいのを着けてあげましょう。今度は私が選んでもよろしいですか?」
そう優しくほほ笑まれてまた新しく首にリボンを巻いてもらった
今度のリボンはクロムさんの髪の色と同じ
キラキラした銀色
銀色のリボンを巻いている自分を鏡で見てみたら
私はクロムさんの所有物だという感覚にふと陥って
なんだか照れ臭くなったのは気のせいだろう




