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クロム視点2

夜も更けた頃、彼女がそっと屋敷を抜け出した。

と言っても、抜け出しやすいよう、使用人も全て下げ、扉も全て開放していたのだが


警備上は特に問題はない。

何せこの館はすべて2重3重の結界で覆われている

まぁ大精霊様クラスの方々には効果は無いがそれは無論承知の上だ。


日中、大精霊様が彼女に言った言葉

あれは私にも向けられていた言葉だと思われた。


彼女のことが気になるなら来なさいと


彼女は気付かなかったようですけどね。


彼女が抜け出したころ、そっと後に続いた。

暗闇の中、待ち続ける彼女

暗闇が怖いのかプルプルと震えている姿がとても愛らしくて

行って抱きしめたくなる衝動を抑えるのが大変でしたよ えぇ。


間もなくして大精霊様が現れる

同時に完全体の獣の姿…あれは…猫?


やはり書物でしかお見掛けしたことがないお姿に驚愕する

彼女に負けず大変お可愛いらしい


大精霊様は完全体のお姿の方を友だと、そして神だと紹介した

やはり神様は尊い獣のお姿なのですね


とすると彼女も…?

大精霊様や神様と同格のお方でしょうか?

仲間としてこのまま私のもとから連れ去ってしまうのでしょうか?

それを見せつけるために私をこの場に呼んだのでしょうか?


だとしたらなんと残酷なことでしょう…


叫びだして彼女をあの場所から浚ってしまいたい衝動に駆られていた時

神様と彼女の姿が輝きだした

ちょうど覆われていた月が顔を出した時でしょうか


すると…可愛らしかった犬の姿の形が崩れ、女性の姿へと変わっていく

犬の姿の時と同じ栗毛色のふわふわした髪が印象的な

ちょっと小柄で華奢な女性

遠目でもわかるくりくりとした大きな瞳も

完全体のお姿とお変わりないとても可愛らしいお姿ですね

どちらのお姿も私の心を捉えて離してくれません。


あぁ許されるのなら今すぐ貴女を抱きしめたい


そんな感情に支配され、たまらずにいると

神様から衝撃的な言葉が発せられてました。


「貴女が望めば帰れる。」

「こちらの世界を気に入れば そのままずっとこちらに居ても構わない。」

「全ては貴女次第。」


彼女は泣きながら帰れることを喜んでましたね。

途中からの言葉は耳に入っていないことでしょう。


恐らくあれらの言葉は私にも向けて言ったのだと思います。

実際一瞬ですがこちらを向いて微笑みましたから。


彼女を引き留めることは可能。

ただし、彼女は帰りたがっている。

それを阻止したければ、全力で絡みとれと。



よろしいです。

気まぐれな神様が与えてくださったチャンスを

全力でものにして見せましょう。





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