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異世界美少女達よ、ぼっちだった俺を攻略できるもんならやってみろ~最強無敵の力はハーレムラブコメに使うらしい~  作者: 白銀天城
第十四章 夏休みを満喫しよう

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アイスゴーレムで剣を試す

 ビーチバレーを終えて、みんなで施設内のカレー屋へ。

 前に試験で来た場所だ。今日は結構客がいる。カレーが浸透しているということだろうか。


「他の店には行かなくていいのか?」


「お気に入りだし」


「カレーも好きよ。あまり食べないし、ここは美味しさが保証されているもの」


「うむ、問題なしじゃ」


 まあ確かにカレーが食える場所って限られているからな。


「あっしも嫌いじゃございやせんよ」


「やた子ちゃんに好き嫌いはないっす」


「美味しくいただきますわ」


「お前らなんでいる?」


 ヒメノ一派が普通にいる。なぜ同じテーブルにいるんだよ。


「アジュ様と一緒にいたいからですわ」


「というヒメノ様のわがままに押し切られているっす」


「世知辛い世の中でございやすな」


 同情を禁じ得ないとはこのことである。

 あまり触れずに受け入れよう。


「まあよい。無駄に騒がなければのう」


「そうだねー。しょうがないよね。みんなでカレー食べよう! ふふーん」


 シルフィが完全にうかれている。これも勝者の余裕なのだろう。


「いらっしゃいませー! あら、あのときのお兄さん御一行様じゃございませんか」


 店員が気さくに話しかけてきたけれど、誰でしたっけ。


「試験のときの人じゃよ」


 そっとリリアが教えてくれる。助かった。思い出せないけれど助かったよ。


「どうしてこちらに? 本店にいましたよね?」


「ちょっとだけこっちにヘルプです。お兄さん……また女の子増えましたね」


「好きで増やしてないですよ。かなりマジで」


 女が増えるとか絶対にうざいじゃないか。

 三人で限界だから。これ以上増えて何になる。

 手早く注文聞いて去っていく店員さん。あとは待つだけ。


「食べたらどこに行きますの?」


「お前らがいない場所だな」


「辛辣ですわ!?」


「いやもうほんとに来ないでくれ。今日は四人で遊ぶんだよ。人増えると目立つだろ」


「私が美しいからですわね」


 アホの発言は聞き流しておこう。予定は立てておかないとな。


「ちょっとくらい目立ってもいいではありませんか」


「絶対に目立つの嫌だ。得がないんだよ」


「この状況が既におかしいから、気にしても無駄ですわ!」


「じゃあ離れておこうぜ」


「墓穴!?」


「ヒメノ様がどんどんアホになっていってるっす……」


 まるで昔はまともだったかのようじゃないか。

 昔はちゃんとした神様だったのかも。考えるだけ無駄だな。


「アホはほっといて予定立てるぞ」


「ちょっと泳げてのんびりできるところだよね」


「波のプールとかどうじゃ?」


「悪くないわね。前回乗ったスライダーにまた乗りましょう」


 相談しながら運ばれてきたカレーを食い続ける。

 確実に味が良くなっていた。複雑ながらコクのあるいいカレーだな。


「カレーでクオリティ上げるとか凄いなここ」


「味が複雑に……いや深みじゃな。深みが増したのじゃ」


「面白いわね。好きな味よ」


「美味しくて好きだよ。たまに食べたくなるよね!」


 好評だな。四人ともそれほど好き嫌いはない。

 明確に嫌いなものさえ外せば、大抵の飯屋に行ける。

 そんな俺達が絶賛するカレーだが。いやこれは本当に美味いよ。


「お腹いっぱいになったら、ちょっと運動するやつ行こうよ」


「戦闘できる場所とかあるのじゃよ」


「いや、俺雷属性だぞ。確実に魔法封印しなきゃいけないだろう」


 俺単独。もしくは電撃無効化できる相棒となら超強い。

 だがプールのような水場で、俺の魔法はほぼ封印されるわけだ。


「わしらもおる。剣も使ってみたいじゃろ?」


「まあ……実践でどの程度動けるかは気になるけれどさ」


「それじゃあ行ってみよう!」


 飯も食い終わったし、食後の運動でもするか。


「お供いたしますわ!」


「はいはい、いい加減諦めるっす」


「往生際が悪いでやすよ、ヒメノ様」


 やた子とフリストがヒメノをがっちり拘束。

 二人に礼を言って、素早くシルフィに合図。


「シルフィ」


「りょーかい!」


 シルフィが時間を止め、その間にヒメノ達から離脱。

 さらばだ。やた子、フリスト、今度なんか食わせてやるからな。



 そんなこんなで水上アリーナとか言う場所へ。

 受付で対人戦と訓練を選べるらしく、訓練を選択。


「では張り切っていくのじゃ!」


 足首まで水に浸かっている場所だ。

 全体的に白基調で、高い壁がある。えらいシンプルだなここ。


「では始めるのじゃ。ルールは簡単。出て来る敵を倒す。以上じゃ」


「敵はどっからくる?」


「今から作るのじゃよ」


 リリアが持っているのは、受付で貰った玉。

 五個あるが、どれも透明で手のひらに収まる程度だ。


「これに魔力を込め、遠くにポーンと投げる」


 遠くの壁に当たって水面に落ちた玉。

 それが徐々に水を吸い込んで人の形になっていく。


「なんだありゃ?」


「アイスゴーレムだよ。あの小さな石がコアなのさ!」


「人型になるように作られているわ。一定以上ダメージを与えると壊れる。けれど放っておけばまた回復するわ。終わらせたい時はコアを潰すのよ」


 便利なもんがあるなおい。とりあえず二個入れたみたいだな。


「わしらは水のない場所で見ておる。頑張るのじゃ」


 三人共少し段差のある足場で見ている。出口に続く道だ。

 どうやら水位も変えられるらしい。


「俺一人かい。きついだろ」


「なんとかなるじゃろ」


「危なくなったら援護するわ」


「アイスゴーレムは強敵じゃないから、へーきへーき!」


「そういやどうしてアイスなんだ? 見たところ水の……」


 アイスゴーレムさんの体が凍りつき、関節部分だけが水でできている。

 なんだあれ。どういう原理だよ。


「原理とか無駄なこと考えとるじゃろ。魔法じゃ魔法」


「便利な言葉だこと。んじゃやりますか」


「電撃も流せるから、早々負けないわ。でも、水着だから制服より防御力が下がるわよ」


「腕輪のガード機能も……ちょっとくらいならありじゃな」


 今の俺は軽装だ。半袖羽織ってトランクスタイプの水着。

 靴だけはいつものだけど、正直心もとない。


「ま、やるだけやってやりますよ」


 召喚機から新しい剣を呼び出す。戦闘で使うのは初めてだな。


「ふうぅ……サンダーフロウ!」


 電撃を剣へと流す。剣の芯のような部分に魔力が溜まっているのを感じる。

 ほんのり青い刀身が、より青く輝き出した。


「注文通りか。流石はホノリ」


「ほれほれ、一体来ておるぞ」


「ちょうどいい。試し切りってやつだ」


 さらにもう一段回魔力を流す。剣に蓄積されている。

 流れるのではない。蓄積できる。これが長所。

 確認して、迫るゴーレムに駆け寄る。


「注文通りに動いてくれよ!」


 斬りつける瞬間に、軽く素の魔力を流して機能を試す。


「オラア!」


 蓄積された魔力が放たれ、より切れ味が増していく。

 氷の人形は、斬り裂かれて溶けながら破裂した。


「よしよし、いい剣だ」


 やっていることは雷光一閃に近い。

 違いは魔力を流し、チェーンソーのようにできること。

 三段階まで蓄積して使えること。

 貯めたら一気に解き放てることだ。


「おぉ、やるものじゃな」


「かっこいいよー!」


「前に見た技と似ているけれど……根本が違うわね」


 雷光一閃は必殺技だ。あれは全魔力を刃に乗せて爆裂させながら切る。

 間違いなく威力は雷光一閃が上。格が違う。

 だが魔力の大量消費と精神集中が必要というデメリットもある。


「これなら貯めときゃ何度でも使える。そして」


 剣の先をもう一匹の氷像に向ける。

 剣から魔法を撃ってみることにした。


「サンダースマッシャー!」


 貯めた魔力は一つにつき一発、俺の魔法に変えられる。

 魔力切れを起こしても、三個までストックしておける便利なものだ。

 こいつは俺専用の剣。無抵抗で俺の魔力を流せて変換可能。


「いいね。最高だ」


「おおー! アジュかっこいい!!」


「素敵よ。そういうところがもっと見たいわ」


「うむ、成長しておるのう」


 さらに三個の玉が追加され、ゴーレムが作り出された。

 今度はちょっと大きめ。二メートルはあるな。


「次はどう切ってやろうかね」


 やる気出てきた。もっとこいつを試したい。

 俺にしては珍しく、乗り気でゴーレムに向かっていくのであった。


いつもブクマ・評価・感想ありがとうございます。

HJネット小説大賞二次選考落ちていました。

薄々気づいてはいました。一次選考はとにかく4桁ポイントのものをほぼ全部通していると。

文章力もポイントもまだまだですからね。これからさらに頑張っていこうと思います。

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