SA内
目の前で9mmとライフルを渡す。
「はい、しっかり預かっておきます....拳銃を持っているのは、貴方だけですか?」
そう言われ、あたかも、私しか持っていない、と言う感じに、受け答える。
「本当は、色々な武器が有ったのですが、僕達しか逃げることができなくて、持ってこれた武器がこれだけなんですよ」
そう言いながら顎で拳銃を指す。
そう言うと、そうですか、と答え、着いてきてくれと言った。
着いて行くと、優しそうな顔をしたダンディーなおじ様が出てきた。
「どうも、ここで、リーダー兼医者をしている奥田です。貴方方は、此処に避難をしてきた...っていう形でよろしいですかね?」
「いや、まだ移住をするかは、わからないですが、取り敢えずの休憩所として、此処に寄らせて貰った次第です」
「そうですか....まぁ短い間かもしれませんが、仲良くやっていきましょう」
そう言いながら、ペットボトルに入った水を差し出してきた。
「有難うございます!」
そう言いながら頂く。
蓋が開いているのが、かなり気になるから、かばんに入れ、後で適当な人にあげよう。
そして、避難している方々の所に案内された。
見たところ人数は、そう多くはないが、人道的に、欠陥がありそうな方々もたくさんいる。
ここで、注意をしなければいけないのが、下手なヤンキーより、お先真っ暗な顔をした、何しても失うものが無い....って顔をした、人達だ。
そんな顔した人達や、ヤンキーにボロカスに言われて恐慌している人...それに関わらないように、している、普通の人々、まぁ皆精神的に参っていて、こうやって、ガス抜きを行なっているのだろうか...
酷い<おこな>行いだがこうやって虚勢を張り、此の中での地位を守っているのか....
まぁ若干壊れかけって所かな?
ヤンキーが此方をチラッと見るが、直ぐにまた虐めを始めた。
他の人々は、我々を見て、こそこそと何か言っている。
「空気が、悪りぃな...」
「ですね...」
「固まって行動しましょうか」
そう言いながら歩く。
姫華ちゃんが、いじめられている人を気にしているみたいで、チラチラと虐められている人のほうを見る。
「あまり、関わらない方が良いですね...好かれても困るし、問題を起こすのも堪らないですからね....あ、竜崎さんは良いですよ」
そう言うと、竜崎さんが、俺を睨む。
虐められている人は、若くて、ごつい奴だ。
見た目に妙なシンパシーを感じるが、俺は、虐められたら、病院に行って診断書を貰い、教師に伝えるか、それをすっ飛ばして、警察に行くかの行動派だからそういう事は無かった。
いや、有ったけどそれをしてからは、無くなったのが正解なのか?
まぁそれは置いておいて
竜崎さんが、ヤンキーの方をじっと見ている。
ヤンキーもそれに気付き、此方に向かって怒鳴る。
「何見てんだよ!!」
「いやぁ~可哀想だなぁと思ってね」
「お前に関係無いだろ」
「まぁそうだよな」
そう言いながら此方に戻ってくる。
「あれ?殴ったりして止めないんですか?」
「こんな所で問題なんか起こしたくねぇよ」
そうですか....
「まぁ取り敢えず今日は此処で休憩しましょうか」