SA
名神高速に乗り、道路を走り続ける。
途中道を塞ぐように渋滞が起こっていたりしたが、良きかな日本下手な順番抜かしも無く綺麗に並んでいる。
ゾンビも居るが、逃げ逃れた人も多く、楽に進める。
しかし、いただけないのが、扉を開けっ放しにしている人も多く、ラリアットされないようによけながら走る。
そして暫く走り、SAに寄る。
休憩兼食料を探す。
まぁ俺が、「高速乗ったらやっぱりお土産って欲しいですね!」
とか冗談で言ったら、SAによる事になった。
「バリケードが張ってあるからまだ人が意外と残ってるかもしれねぇな」
「でも、結構時間がかかってるから、意外と全滅している可能性も...」
「食料系は絶望だな」
「ですね...」
そう言いながらバリケードに群がっているゾンビを無視して、ガードレールの内側からSAに入る。
そこに小高く成っているところが有ったのでそこに上り、内側の状況を確認する。
「へぇ~意外と、綺麗に残ってるもんだな」
「そうですね...」
そう言いながらトラックを見る。
綺麗にトラックが、SAを囲むように並べられており、簡単には、入る事はできないようだ。
まぁ出ることもできないが....
そう思いながらSAを見ていると、屋上で手を振る人達が見える。
此方からも手を振り徐々に近づく。
ある程度近づくと、大声で話しかけてきた。
「君たちは、救助の人か!?」
「いや!!違う!俺達も難民だ!!」
「そうか!....君たちはどうやって此処に!!」
ここで、淡路島に向かっているとか言うとコイツラも引き連れて行かなきゃいけなさそうだ。
「いや!安全な場所を探しながら旅をしている!!」
「背中に背負っているのは銃か!!」
まぁ仕方がないよね...置いていって取られるのもあれだし。
「そうだ!!」
「それで俺達を襲ったりするのか!?」
「いや、俺達は、安全な場所を探しているだけだ!話し合いで解決出来るのであれば、それに越したことは無い!」
「分かった!あと、君たちは、警察か、自衛隊なのか?」
「いや、警察でも自衛隊でもない!PMCだ!」
「PMC?」
「PMCは、民間軍事会社の事だ!銃を持った警備員と思ってくれ!」
「分かった!その銃は預からして貰っていいか!?」
そう言われ少し悩む。
「いや、銃を預かるだけで、此処を出て行く時、ちゃんと返す!」
ん~どうするか...拳銃は、見えていないようだしな...
「ちょっと話し合いをさせてくれ!!」
そう言いながら、死角に入る。
「拳銃とライフルのマグを鞄に入れて様子を見よう」
「分かった」
「分かりました」
「あ、僕の拳銃はわざと渡すことにして、相手を見ます」
そして、また見える所に出る。
「分かった銃は渡すが、弾は此方で預かる!」
「分かった!今から梯子を下ろす!」
そう言って縄梯子がするする降りてきた。
「上ってくれ!一人ずつ!」
そう言われ、1番に竜崎さん、2番姫華ちゃん3番俺の順で上った。
ブラブラしながら梯子を登る。
すると、警戒しつつ、此方を眺めている人達がいた。
「ようこそ!安全かどうかは、わかりませんが、取り敢えず安全な場所へ!私は、此処で警備担当の”沢田聡”です」
「私は、竜崎龍彦だ」
「僕は、ニートって呼んで下さい」
「そ、そうですか...」
「私は、九十九姫華です」
「では、銃を預からせて頂きます」