給油
竜崎さんに着いて行くつつ周りを見る。
元人間が道路を闊歩していたり、動かなくなった人や、ゾンビ達。
原型を留めている人や、留めていない人...
お年寄りから、小さな子どもまで、”平等”に、死んでいる。
いや、死んでいるのは語弊だが、動物学的には死んでいると思う。
此方に向かって来るゾンビや、明後日の方向に向かって行くゾンビ。
まぁ危ない所とかは、引き返したり、ルート変更したりして、移動をする。
すると、ゾンビが居て汚いが、比較的綺麗な道に出た。
「此処から高速に乗って移動するが、ガソリンの方はどうだ?」
そう言われ姫華ちゃんがセローを揺する。
「少し少ないですね」
「じゃあ、ガソリンをスタンドでパクろうか」
「分かりました~」
そう言って近くのガソリンスタンドに向かった。
ガソリンスタンドには、緊急時に手動でガソリン補給ができるようになっていて安心である。
ガソリンスタンドに着くとゾンビが、数体居た。
「俺が右の奴を殺るからニートが左2体の奴を殺れ」
「分かりました!」
そう言われ、バイクを停め立てかけていた看板から板を外し棒だけにする。
「エクス・ゲバボール!」
そう言いつつ、フルスイングでゾンビの頭を打ち抜く。
ガン!と言う音と共にゲバ棒が折れゾンビも倒れる。
「何!?」
ゾンビが此方に向かって早歩きで来る。
ナイフを取り出し相手の頭に叩きつけようとすると、姫華ちゃんが相手の頭にソバットを打ち込む。
ゾンビの側頭部に打ち込まれ錐揉み状に転げる。
それに合わせて渾身のケリを頭にいれると首をあらぬ方向に曲げ動かなくなった。
竜崎さんはというと、相手の頭にナイフを突き刺した後もう一人のゾンビの首に蹴りを入れゴリュっと言う音と共に相手が吹っ飛び、次のやつにぶつけ、体制が崩れた所に相手の頭を抱きかかえ捻って殺した。
「は、早い!!早すぎる!!」
「じゃあニートは、数が少なかったんだから、手動ポンプ任せる」
「え、えぇー」
そう言いつつ手動ポンプを動かしに向かった。
ガソリンを入れ終え、皆の所に戻り「きゅ、休憩させて下さい」とか「しんどい!眠たい!」とか言っているが竜崎さんと姫華ちゃんが真剣に話し合っているためなかなか相手にしてくれなかった。
「おうニート!所でこのままのルートだが、高速を乗ったら楽に帰れるが、道が寸断されている可能性もある。
だが、下道を通ると、危険性がかなり増すわけなんだが、どうするよ?」
「そうですね~.....高速である程度向かってその都度考えるプランで行きますか?」
「行き当たりばったりコースだなぁ...分かった。じゃあ、今から高速に向かうぞぉ?」
「私は、何時でも大丈夫です!」
「了解!では行きますかね?」
そう言って我々は高速道路に向かった。