侵入
車に乗り込み、家電量販店へ進む。
勿論ライトを消して、NVゴーグルを着けて進む。
第三世代のNVゴーグルは、可視光線ではない、赤外線ライトを着けられていて、それで可視範囲を増幅できるすぐれものだ。
まぁそれを着ける以前に、辺りは、月と星が出ていて、よく見える。
視界はグーリンの目に良さそうな色だからきっと目も良くなるだろう。
暫く車を乗り進み大体600mくらいまで近づけた。
そこで車を降りて、周辺の警戒をする。
「周辺はクリアだな!銃はセーフティーに入れて、交戦協定はリータートゥファイアで、フォーメーションはカラムショートで静かに行動しましょう!あと、短波無線の確認もしましょう!」
そういうと二人からラジオチェックと来たので、チェックと答えた。
家電量販店の周りには、高い建物は無いが、山手の麓に作られており、坂の途中には、閑静な住宅街が並ぶ。
持って来たクロスボウを構え、静かに坂を登り、邪魔になりそうなゾンビを排除する。
暫く登ると、大きな家が見えた。
「おいニート、あの家とかどうだ?」
そう言われ、双眼鏡で覗く。
家の大きさは、そこそこ大きくベランダが開けていて山の麓の家電量販店が見えそうだ。
「じゃあそこで索敵して、いい場所だったらチョッカイを掛けましょうか」
「了解ぃ」
「了解」
建物に近づき、門が開いていたので門から入ると窓ガラスが割れていた。
窓ガラスには黒く何かが張り付いていた。
たぶん血か何かだろうNVゴーグルのグリーンで黒く見える。
手でサインを送り中に入る。
中に入ると、ゾンビが3人ほどウロウロしていた。
ゾンビは目が見えているのか見えていないのか臭いで来るのかなにか分からないがどうやら此方に気づいていないようだ。
後ろからそっと近づき頚椎にナイフを叩き入れる。
ゴリっという感触と共にゾンビから少し空気のぬける音が鳴り力なく倒れる。
隣を見ると竜崎さんがゾンビの首の骨を折り向井さんは置いてあった家具でゾンビの脳天を一閃した。
二階に上がり双眼鏡で麓の家電量販店を索敵する。
見たところ哨戒兵が数名ウロウロしていて建物から薄暗い明かりが少し漏れている。
門の外にはゾンビが100体以上ウロウロしていた。
フェンスに力なく体を押し付けているが後ろのゾンビが体を押し付けるようにしているわけでもなく、後ろでふらふらしている。
それを見ていると何人かの哨戒兵が男性を引きずりながら歩いてフェンスに付いて高台に男性を引きずり上げる。
「ヘマをしたのか、娯楽のための処刑か....」
そう思いながら見ていると男性は叩き落とされた。
するとゾンビは男性に群がり門の前のゾンビが一気に捌けた。
そして、門が開き車が一斉に飛び出す。
「へぇ!ゾンビってなにかの意思疎通能力が有るみたいですね!」
そう言われ気づく。
いくらゾンビと言っても相手は動物以下の存在だ。
意思疎通をしているようには見えない。
付近にいるゾンビは何か興奮するような事があればそこに向かう習性があるみたいだ。
そう思いながら見ていると10台くらい車が出て行った。
狙い目は今だろう。
M24を構え見ていると有ることに気づく。
ほとんどのゾンビはそこに群がり家電量販店の裏口も捌けてしまっている。
建物には侵入できそうにないが、建物に梯子が付いていて登れそうだ。
竜崎さんを見ると頷いてきた。
急いで一階に降り鍵がおいてある所を探す。
玄関にダッシュすると鍵が置いてあった。
門の所にちらっと見ただけだが、レクサスのRXが置いてあり、その隣には、ルノーのカングーが置いてある。
カングーの鍵を向井さんが受け取り急いで車庫を開ける。
「向井さん!陽動お願いします!」
そう言いながらM24を渡し車に乗る。
「竜崎さんは自分と内部での破壊及び救出出来そうな人を救出!!」
「了解です!!!陽動は家電量販店付近で適当に暴れればいいですね!!」
「そうして下さい!!HK416を上に撃ってもいいです!建物に侵入したら無線を送ります!!無線が来たら車を廃棄してこの建物に集合して下さい!!」
「了解!」
「俺とニートは中で暴れるって事でいいんだな?」
「お願いします!!全部狩ってもいいです!」
「了解ぃ」
そして車で飛び出した。
車で建物に近づいて行くと無線が入る。
『今から陽動開始します!!』
その声とともに銃声が辺り一面に響いた。
すると車の唸り声と共に別の銃声が響く。
建物付近に着き車を飛び降りてフェンスをよじ登る。
ヒィヒィ言いながらフェンスを飛び降りダッシュで梯子に取り付く。
梯子に手を掛け登ると竜崎さんが下から物言わぬ威圧をかけてくる。
「急いで登りますから!!急いで登りますから!!」
そう言いながらダッシュで登る。
屋上に着き少し休憩しながら無線を入れる。
『此方建物侵入部隊!建物に着いた!』
『了解!終了する!』
やり取りを終了し、建物の入口を探す。
見たところ立体駐車場ではなく、建物の屋上っていう感じの所だ。
哨戒兵が何人かが喚いている。
陽動が効いて慌てているようだ。
小声で竜崎さんに話しかける。
「竜崎さん一人殺るんで、二人頼めますか?」
そう言うと了解と返ってきた。
物陰に隠れながらていると一人離れた位置に歩いて行った。
幸いエアコンの大型室外機が至る所に点在してあり、身を隠すのは苦労しない。
後ろから近づき腎臓にナイフを突き刺す。
横腹から入ったナイフは皮膚を突き破り腎臓に刃が届く。
腎臓に突き刺さり出ない声を振り絞りながら失禁をする。
一人終了
次は少しだけ竜崎さんの視点になります。
お!ニート一殺りに行ったみたいだな。
見たところあと二人....どうやって殺ってやるかだが....
そう思いながら山側を見ている二人の後ろに近づく。
下に落とすのはマズイからなぁ
そう思いながら両手にナイフを握る。
「よ!待たせた!」
そう言いながら此方に振り返った一人の首をナイフで掻き切りもう一人の側頭部にナイフを叩きつける。
ゴス!!と言う音とガボガボいう音と共に二人の人は崩れ落ちた。
視点戻ります。
殺し終え、二人居た所に戻ろうとすると建物に入る扉が開いた。
どうやら屋上から確認するために一人追加されたようだ。
辺りは暗いので、後ろから話しかける。
「いやぁ~さっきのは一体何だったんですかね?」
「何だったんですかね?急に車が来たと思ったら暴れて何処かに行ってしまいましたね。ジャンキーか何かじゃないんですかね」
そう言いながら此方に振り向くが、警戒をしていないようだ。
どうやら兵士って言うほどの人達でもないようだ。
「向こうにも人がいるんでそこに行ってみましょうか」
「そうですね」
そう言うとその人が後ろを向いて歩き始めた。
馬鹿すぎるぞ。
NVゴーグルは外しているから向こうが気づかないのか、服装やライフルには、何も突っ込みがない。
後ろから着いて行くと竜崎さんが室外機の上で座っていた。
「ニート!そっちはどうだった?」
「一人は殺ったんですけど」
「え!?」
そう言いながらナイフを首に差し込む。
すると首からダバダバと血が流れ出し倒れた。
一度か二度ほどビクビクと動いたが直ぐに鼓動は止まった。
竜崎さんが拳を此方に向けたので拳を軽く殴った。
建物内に侵入するにあたり、装備を置いていく。
ライフルと鞄は置いていく。
装備は、ナイフと9mmだけだが、コイツラの持っている猟銃を借りる。
装弾数は2連式ショットガン(ミロク)を二丁有ったので借りて行く。
弾種はバッグショットのみだったが十分過ぎる攻撃力が有るのでそれを持っていく。
就職先が決まりました!!
今までとはちがい、真っ当な仕事です!!
これから更新の頻度がもっと落ちるかもしれませんが、まだまだやっていこうと思うので、暖かく見守って下さい!!
それではまた会いましょう!!