敗走いやいや、これこそ戦略的撤退です
痛みも引いてきて、数日ではないが、次の日。
思いっきりドアをノックされた。
「お客さんだ!起きろニート!」
時刻は6時30分迷惑この上ない。
「後で来てもらってくれ....寝る...」
その時けたたましく竜崎さんが入ってきた。
目を薄めに開けてみると、タバコを差し出してきた。
無言で手に取り火を付ける。
朝は、コーラーを飲まなきゃしゃべる気にならないから枕元に置いてあるぬるくなったコーラーを飲む。
ちなみにコーラーは、炭酸が抜けているのが好きだ。
冷たくて炭酸が無かったら直良し。
自分で炭酸を抜こうとしたりして良く吹きこぼしたりするが部屋の中ではノーミスで通ってきてる。
まぁ関係のない話は置いておこう。
「んで、なんですか?」
「昨日のスーパーのやつ居ただろ....そいつが手を組もうってやってきたんだ」
「拒否って下さい」
「ん?なんでだぁ?」
「朝に来たから」
それ以上それ以下でもないが、なによりも怪しすぎる。
「まぁ、怪しいわな....」
いつの間に脳内を読む能力を手に入れたんだ?
「そいつらが乗っ取りに来てるかもしれないし、着けて来ている時点で、ヤバイ奴らだろ?」
「そ、そうなんだが.....お前も表情がかなり変わったな....」
そう言われ鏡を見ると目が完璧に死んでいた。
「普段ゴーグルを付けているから気にしなかったが、目がヤバイぞ?」
「これだけ人を殺したり、拷問とか平気でやってたら簡単に脳みそがぶっ壊れてしまいますよ....竜崎さんは、変わりませんね」
「俺はお前と違って鍛えてたからな!」
まぁこれだけ殺したら精神的に来るかもしれないが、要するに慣れであって、夜寝るときもそんなに寝苦しかったり、殺した人の顔がフラッシュバックすることはなかなか無いな....そう言えば一度見たが、あれっきりで、ほとんど内容を忘れてしまった。
「とりあえず降りますか....」
そう言い一階に降りる。
リビング兼客間兼食事を取る所になっているので先に台所に行って食事を貰う。
まぁ食事と言っても缶詰とかしか無いが....
「ども食事しながらでいい?あんたら飯食った?俺寝起きだから飯食っていい?」
これで怒ったらそれはそれで楽なんだが....
「いやーアンタも神経図太いな!ヒポクリトの総大将!さすがでんな!」
ふむ....
「んで、話なんだが、ヒポクリトに入りたいと?」
「そうなんや!まぁ入りたいって言うのはちょっと語弊がある。語弊っていうのはなあんたらとチーム組んで共同っていうのはどうや?」
却下!と言いたいが、ちょっと話を聞いてみよう。
「共同と言うのは、どういうことですか?」
「いや~その話なんやけどな!こっちが人を出すあんたらが武器を出すどうや!?」
「却下だ。それじゃあトントンになんねえよ」
そう言うと付き人らしき人がピクリと動く。
「ん?なんでトントンにならんのや?」
「こっちには人員も武器も十分に揃っている。あと共同で動くよりかこっちで生きている人を探すほうが危険性も減る」
「そんなんアカンて!たった9人で何が出来るねん!?」
そう言うと俺の中で冷や汗が走る。こいつらはMCVに乗っていた美琴ちゃんも数に入れている....脅しだ。
「ふむ....それはそうですね....所で今日は何人で此方に?」
「俺と隣の奴と外の車に7人や」
嘘だ...このまま帰すか?いや殺したら絶対に人的被害が出る。そもそもこの間スピーカーで話したやつではない。
「ふむ....此方も全員で話し合って決めなきゃいけないんでね....良かったら一度帰って貰ってもいいですか?」
「そうでっか....そんなら次何時来たらいいでっか?」
「そうですね....外に青い旗を立てるんでそれを目印に来てもらっていいですか?」
「あ....わてボロ出しました?」
そう言った瞬間隣の奴が動いたが、竜崎さんに蹴り飛ばされ吹っ飛ぶ。
後ろから拳太郎が走ってきて、喋ってた奴に銃を突きつける。
「銃の持ち込みは禁止つったろ!?」
そう言うのは竜崎さんだ。
「え!?俺ですか!?」
「ちげーよ!コイツが銃を隠し持ってたんだよ!」
そう言いマカロフが落ちていた。
マカロフとか何処で手に入れたんだ?何時から日本が銃社会になったんだ?
「動くなよ!俺は何人でも殺してきたんだ!」
とことん小物臭のする拳太郎。
足に付けている9mmを取り出し俺も構える。
「拳太郎こいつの武装と装備全部外して持って来てくれ」
そう言うと関西弁の男を調べる。
「な、何も持ってないって!!聞いてぇな!」
こいつがリーダーじゃない事は確かだ。
「盗聴器も何も持ってません!」
「次は隣だ!ついでに無線機貸してくれ!」
そう言い無線機を借りる。
拠点内でも無線機はつけさせている。まぁ俺は飯食うだけだと思ったからベストとアンクルホルスターだけ付けていた。
「無線連絡!気づかれないように聞いてくれ!特に姫華! 現在敵の襲撃にあった。敵のそばに居るのなら物陰に隠れるかそっと建物に入ってくれ!」
そう言うと姫華が二階からドタドタドタっと降りてきた。
「大丈夫ですか!?」
そう言いながら倒れている奴に蹴りをかます。
蹴られるたびにビクビクしてたから脳内でアリガトウゴザイマス!アリガトウゴザイマス!とか言ってたら笑いそうになった。
「ブヒュ!...おいお前等リーダーは何処だ?」
「り、リーダーはそこで蹴られてます」
「ハァ!?」
.
.
.
.
どうやらこいつ等は最初立地と言い武装と車輌と言い貰っていこうと思っていたわけだ。
リーダーに銃を突きつけて外にでると全員武装を解除した。
厄介事が終わったらまた一難....人が少なくなり、ある意味狭い世界になったせいで、ここまで厄介事が舞い込むのは勘弁してほしい。
そう思いながらリーダーを水の中に沈める。
「それだけかぁ?それ以上放すことは無いんですかぁ?んん?」
そう言いながら引き上げる
「オウェーウッウェウェエエエ!!!」
井戸の水をふんだんに使い聞く。
「喉の渇きがこれで潤いましたよねぇ!?」
何も喋れないようだ聞くものもこんなものか。
水攻めは良いな昔から有るだけでかなり苦しいみたいだ。まぁ怪我とかじゃないから一日経てば直ぐに元気になるだろう。
後ろでコイツの手下が喚いているが無視をする。
まぁ聞きたい事は全部聞けたし、開放するか。
「はーい君たちは、帰って良いよ武器は、車のトランクに入ってるから。あと、意表を突くならば、もうちょっと信じれる部下と自分の沸点を上げましょう」
そう言うと捨て台詞を吐くかの如く走っていった。
「無線連絡!ミーティングを始めます!全員リビングに集合!」
そう言うと直ぐに全員集まった。
タバコに火を付け話をする。
「今日来た羊は、多分威力偵察部隊だと思う」
そう言うと竜崎さんが頷いた。
「あいつはリーダーだと言ったがそれはない。精々部隊長クラスだ伍長かそれくらいだろう」
「内で言う竜崎さんだ。まぁアイツは軍隊経験のないミリオタかなんかだろう。俺と一緒だ」
「ニートと違うのは、ラリってるか普通の考えの違いだな」
此処でのラリってるは俺の事だろう。
「でだ。今回五体満足で帰したのは俺達の武力を誇示するためでもある。一人でも欠損したらあいつらは直ぐにでも報復活動すると思うが、向こうのトップは頭がいい。どうせ他のグループを吸収して大きくなったのだろう。そこで乗っ取られた奴らのリーダーが俺達の所に攻めに来たって言うのが俺の脳内で考えた」
「俺はそうだと思うぜ?偵察からの威力偵察そして次は....」
「そうだと思うが....場所の替えどきか....」
そう思いながら脳内で候補を考える。
考えていると車が走ってきた。
「全員戦闘態勢!!!」
そう言うと二階に5人一階に4人で出入口を固めた。
二階のベランダにはM2とM240が一門ずつ付いている。
一階には窓を割って入るとグレネードが炸裂するように設置している。
一階には拳太郎と竜崎と新人二名二階には、俺と姫華と義剛と美琴と新人だ。
「二階はスナイパーからの狙撃を警戒!無理してM2に付かなくていいぞ!姫華はアンチスナイパーとしてM24を持ってくれ!俺と義剛さんはM4だ!」
そう言うと全員銃を構えて鏡を使って索敵をする。
近くの使われていない社員団地からの発砲を警戒するが、熱源でも確認がされない。
「自分が外に出て話しかけます!」
そう言いベランダから外に出た。
顔を出さずに叫ぶ。
「おい!何しに来たんだ!交渉は決裂したんじゃねぇのか!?」
そう言いながら鏡を出すと車が4台止まっていた。
「いやーすみません!共同と言うのは間違いです。武器を渡してくれたらそれで話が済むのですが」
そう言いながらスピーカーで話しかけてきた。
昨日話したスピーカーだ!
「昨日はえらく優しい感じだったが急に何なんだ!?」
「いやいや、聞いた所貴方達は人を全員助けるのではなく生き残れる人だけを助けるという団体でしたっけ?ヒポクリトかなんとか言う」
「そうだがなんかそちらに迷惑をかけたか?」
「迷惑もなにもこの間一人此方で救助したんですがその人が連れて行ってくれなかったとか何とか申しまして、それで武器があって助けない...」
そこで入電が入った。
「あぁ~俺だそれ....助けたのに当たり前だとかなんとか言ってるクソババアがいたからそのまま置いてきた」
めんどくせえからそういう奴らも殺していったほうがいいか?
「つまるところ貴方達は悪なんで....」
「そんな糞めんどい事は先に言っといてくださいよ!脳みそチャランポランな勇者気取りかもしくは、この世は公平であるとか何とか訳わからん政治家か宣教師まがいの奴が乗り込んで来たじゃないですか!?」
「悪いぃ」
「聞いてますか!!」
「ああすまん聞いてなかった!なんだっけ?」
そう言うと姫華さんが答えてくれた。
「私達は、人を助けずなんて非道なことをするのかとかなんとか言ってましたよ」
「分かった....あんたらはこの状態でまだ公平さを求めているのか!?ゾンビに噛まれて脳みその考える部分だけ腐って訳わからん能書き垂れてまだ公平さを求めると!?頭湧くのもいい加減にしろよ宣教師!!お前等だけで腐っておけば俺達は関係ないんだよ!巻き込むな!!!」
そう言うと仕方が無いですねと言い車に戻った。そこで取り出すのがカールグスタフ弾はHEDPこれなら貫通してもいい感じの所で爆発してくれるだろう。
無線で静かに言う
「Clear My back!!」
そう言うと竜崎さんと姫華ちゃんは俺の部屋から離れた。
家も結構いい家に住んでいたため結構広いがギリギリ壁が有るので焦げ付くがそこは仕方がない。
そして照準を上に合わせて撃つと窓ガラスを撃ち破り弾が車内にスベルように入る。そしてドーン!!!!と言う爆発音と共に爆散炎上した。
ベランダは、あまりの熱さで俺がのたうちまわっていた。
アヅイアヅイアヅイアヅイ!!!
急いでM4を構えグレネードを投げる。
死ね!皆死ね!なんでこんな熱い思いしなきゃならないんだ!?
投げたグレネードは白燐弾風向きからして敵側に煙が流れてるので投げ込む。
ボフン!!ボフン!!
その音と共に皆が転げまわりながら暴れている。阿鼻叫喚地獄絵図は此のことだな。
車内に居た人たちは出てきた竜崎さんや義剛さんの手によって排除された。
姫華もスナイパーを見つけたようで撃っている。自分もM2で車を薙ぎ払っていく。
ドンドンドンドン!!!!
当たった人は腕をもがれたり体に風穴を開けながら倒れていく。
しばらくすると白鱗も剥げてきて視界がクリアになった。
竜崎さんが出てきて指示を送る。
竜崎さんが敵のいる所に向かうとクリアと返事が合った。
蒙蒙と煙が噴き出しているがそれを避けて行くと白鱗を受けた人たちがのたうちまわっていた。
「殺さず置いておけ処置はしなくていい」
そう言い進むと車内に二人手を上げてじっとしている人がいる。
銃を構え二人共撃ちぬく。
無線で短く
「All Clear」
そう言うと歓声が帰ってきた。
部屋に戻り一言言う。
「あー今日で急ですが此処の場所を遺棄し、次の拠点を探します」
そう言うと皆悲しそうな顔になった。
「幸いまだガソリンはこの周りに大量にあります。普通は知らないですが、ガソリンスタンドは、手動で動かせるのでこの辺りの人たちは知らないでしょう」
そう言うと皆ほっとした顔になった。
「ですが、これから追われる身になります。銃器類はこれだけあっても腐らすことになります。チンピラの施設に逃げ込みたい人もしくは、俺が一度ヤバメになったショッピングモール。集団で移動していたバスの人たちの所に行けばとりあえずは食いつなげるでしょう」
「まぁ私としては、皆さんと一緒に次は淡路島辺りに避難したいんですがね」
そう言うと全員が淡路島がいいと言ってくれた。
「つれねぇじゃねえかぁ!」
「そうですよ!ここまで来たんだから皆で行きましょう!」
「そうですね...此処には愛着が合ったんですがそれもニートさんが居たお陰ですからね」
「私も行くよ!!」
「俺も行っていいのか!?仕方ねぇな!」
「私達!」
「三名も!」
「一緒に!」
「「「行きます!」」」
そう言いながら出発の準備をした。
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8時間後
「やっぱり来たなあいつら!」
「そうですね....道を塞ぐようにTNTちゃんと置きましたか?」
「はい!ちゃんと置きましたよ!」
「多分むこうのトップが来てるからな!盛大に歓迎してやらねぇとな!」
「まだTNT起動しちゃダメですよ!」
「わーってるって!」
すると何人か敷地に入っていったが、突貫クレイモアで3人位死傷させた。
扉を開け中に入る人が居た。
起爆用のスイッチを押す。
ズドンと音と共にフレシェット弾が飛び散り中に居た奴はこれで少しは戦闘不能になっただろう。
しばらくすると倉庫の扉が開く音がした。
置いてあるのは、猟銃などだが、全部使えなくしてある。爆弾を解除されても穴を塞いでいるから撃ったら暴発確定だ。
そしてもう一つの起爆装置を押す。
カチカチっと二回押すと、爆発を起こし建物が倒壊する。
いわゆる爆弾はサッチェルと言う梱包爆弾だ。
すると車が一斉に走り去ろうとするが退路にある壁をサッチェルで破壊すると道が綺麗に埋まってしまった。
そして直ぐに車輌の来るであろう位置にアスファルトを予め割っていた所に仕掛けておいたHEDPを起動させる。
いわゆるIEDだサッチェルもタダじゃない。
すると爆発が起こり車が吹っ飛ぶ。
一台二台とポンポン吹っ飛び俺達は退散した。
つっかれた
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