ー4ー においをたどって
ドサッ。
突然の音に、ミーオはびくりと体を強張らせ、羽を逆立てた。
口いっぱいに果実をくわえたまま、きょろきょろと周りを見回す。
……下。
木の根元に、ロイが倒れていた。
「ぴゅっ!?」
驚いて木から舞い降り、ロイの顔の周りを落ち着きなく動き回った。
つん、と頬をつつく。
……動かない。
「……?」
もう一度、つつく。
それでも、動かない。
ぺろり。
頬を舐めてみる。
……だめ。
耳に、思いきってかぶりついてみる。
やっぱり……だめ。
「きゅう……」
ミーオは羽をすぼめ、がっかりした。
どうしたらいいのか、さっぱりわからない。
からだがいたいとき、だれが来てくれた?
――きいろの二人?
……ちがう。
――おおきい人?
……ちがう。
「……!」
そうだ。ミネアだ。
ミーオはぱっと顔を上げ、あたりを見回した。
けれど、どこを見てもミネアの姿はなかった。
「……きゅう」
しょんぼりして、ロイのそばにぺたんと座る。
そういえば、あのちいさい箱に入ってから、ミネアはいない。
ずっと一緒だったのに。
どうして……
ミーオはしばらくじっとしていたが、ふいに顔を上げた。
――におい。
森の奥から、かすかに、知っているにおいがする。
海のにおいでも、森のにおいでもない。
ミネアのそばにいるときに嗅いだ、すきじゃないけれど、たしかに知っている――苦いにおい。
……いないなら、さがそう。
ミーオはロイを見た。
「……きゅ」
小さく鳴いてから羽をふるわせ、深い森の奥へと飛び立っていった。




