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アルスレア  作者: ゆきつき
第三章 蒼海の試練

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32/39

ー17ー海戦の終焉

淡い金色の光球が海水をかき分け、深海へと一直線に突き進んだ。

目標地点に到達した瞬間――光の届かない深海に、巨大な金色の花が咲き誇る。


触手群は眩い爆発に巻き込まれ、ほとんどが蒸発した。


その衝撃は海底火山の噴火のような圧力を生み、巨大な水柱を巻き上げて風の結界に包まれた軍船へと襲いかかる。


衝撃とともに船を包む透明な球体ごと、軍船は海上へ押し上げられた。


「っ……ぐっ……!」

ミネアは全魔力を結界へ注ぎ込み、必死に維持しようとする。


だが、圧し掛かる水の衝撃が容赦なく結界を叩き、表面に細い亀裂が走った。


ミネアの額には汗が滲み、目尻から赤い涙が一筋落ちる。

耳の奥からも、細い血筋がじわりと滲んだ。


その瞬間、マルクの表情が険しく変わった。


(魔力の使いすぎだ――これ以上は危ない!)


宙に浮いた船が大きく揺れる中、マルクは体勢を崩しながらもミネアへ向かって走り出した。


オルフは膝をつくティオに覆いかぶさるようにして盾を展開し、構えた。


亀裂は連鎖的に広がり――

結界は、押し寄せる圧力に耐えきれず砕け散った。


「かはっ!」


砕けた反動でミネアの身体は後方へ弾き飛ばされ、口から血を吐く。

まとめていた長い髪がほどけ、衝撃でばらりと広がった。


「ミネア!!」


マルクが抱き止めるが、彼女の身体はぐったりと動かない。


軍船は凶暴な水圧に呑まれ、木片が四散し、鉄の部品が悲鳴を上げる。

船上にいたミネアたちも、抗う間もなく崩れゆく船と共に荒れ狂う水の奔流へ飲み込まれていった。


巨大な水柱が消えた後、海にはぽっかりと穴が開いた。

その穴を起点に海水がうねり、大波となって四方へ広がっていく。


しばらくすると、水は一気に穴へ吸い込まれ、巨大な渦を形成し――

そこで行われた戦いの痕跡を、全て呑み込むように消し去った。


――


救難艇で陸を目指すロイは、暗く静まり返った海の中で窓をぼんやりと眺めていた。


暴風も雷も消え、深い闇だけが広がっている。


だが、突然――


遠くから鈍い爆発音が響いた。


「!?」


海が震え、救難艇は徐々に安定性を失い、軋みながら揺れ始める。


「なっ、なにが起こったんだ……?」


ロイが言い終えるより早く、救難艇は大波に飲み込まれた。


身体が座席から浮き、壁に叩きつけられる。


視界が大きく揺れ──

次の瞬間、暗闇がロイを呑み込んだ。


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