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あなたは私を信じますか?  作者: 古月 うい
中学一年

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5/7

入塾

体験入部ではお菓子とお茶が振る舞われた。


「葵、作法わかる?」


「むしろ私がわかると思ってるの?」


「…だよね」


周りを見てお茶とお菓子をちまちま食べていると、ふと斜め前の今井さんに視線がいった。


(相変わらず綺麗…)


美しい所作で、そこだけが周りを窺う一年生ではなく二年生かと思ってしまった。


それほどに迷いがない美しい所作だ。


声をかけるには少し座っている位置が遠く、どう話していいのかもわからなかったのでぞの日も話しかけられず仕舞いになってしまった。


「真白、部活どうする?私は茶道部にするつもりだけど」


どうやら一緒に入ろうと言われているようだ。


「じゃあ葵と同じところで。入りたい部活ないし」


サクッと決めてしまい、その日のうちに入部届けを出した。



「真白、塾に行かない?」


「別にいいけど、どうして?」


部活の体験入部が終わったころ、親にそう提案された。


「真白はどうせ塾とかに行かなかったらなにもしないでしょう?

それにもう中学生だし、こういうのは早いうちがいいわよ。」


怠け癖を指摘されて少しムッとして、それが災いしてそのまま入塾テストの日程が決まってしまった。


名門を目指すならと1番に名が挙がる大手だ。


正直わたしなんかが入れるとは思っておらず、親に言われるまま雑に受けた。


結果は合格。


しかもなんと1番上のクラスに入ることになった。


「うそ!真白受かったの!?」


クラスの友人に話すと驚かれた。


入塾テストってクラス分けと、よっぽど酷い人を落とすためのものだと思うのだけど。


そんなに驚く要素、ある?


「あの塾の入室テスト、半分は落ちるらしいよ。ちなみに私は落ちた。真白って賢いんだ」


わたしの疑問を感じたのか説明を補足してくれた。


「でも、わたしなんかがやっていけるのかな…場違い感が半端ないよ…」


地域の名門に行くならここという塾だ。

化け物が揃っていそうで怖い。


「まあまあ、受かってしまったから諦めな」


二人とも容赦はなかった。



そして迎えた初日授業。


入室したてということで席が1番前だった。


早く行くのが性な関係でまだ誰もいない教室だったので、座席表を見ることにした。


(知り合いがいない…)


大手ということもあって、わたしの中学だけではなく他に二つほどの学校からやってきた選りすぐりの猛者たちに当然知り合いなんているはずもなく。


大人しく縮こまることに徹しようかと思いながら名簿を辿っていると、一点で指が止まった。


『今井静子』


確かにそう書かれていたのだ。


わたしはそのとき、はじめて今井さんの下の名前が静子だと知った。

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