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あなたは私を信じますか?  作者: 古月 うい
中学一年

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4/6

入部

「暖かな春の…」


公立なので順位はないはずだが、出席番号になおすと中途半端な苗字の人が新入生代表として言葉を読み上げるのを聞きながら、私はクラスメイトのことを考えていた。


仲良くなれそうな子はいるかとか、あの人とは合わなさそうだとか。


わたしはこういう時に高揚感を抱きつつそれを表にも思考にも出さないタイプなので、冷静に周りを観察することができた。


不運なことに、小学生の時に仲が良かった人は同じクラスにいなかった。


いるとすれば、記憶は曖昧だがおそらく同じクラスになったことがあるであろう数人のみ。


わたしのくじ運のなさ故、これまでの人間関係に頼るという手法があまり通用しなさそうだったので、別のところに入るよりは一から構築した方が早いだろう。


とりあえず近場からと思って男女別の出席番号が近かった女の子二人と、合わせて三人とグループになった。


出席番号基準だった理由は単純だ。

はじめのほうの身体測定で近い方が有利だったから。


はじめのうちに出席番号順で行う身体測定で、他の二人の方が近いと孤立しやすいからという、いわばそれだけの理由だ。



しばらくが経ち、部活動の体験の時期になった。


「ねえねえ、真白は部活は何にするつもりなの?」


「まだ決めてない〜。見学、一緒に行く?」


「私は行きたいところ決まってるから行かない。」


「私も。ごめんね。」


二人とも入りたい部活決まっているようだ。


もしそこが二人とも同じならそこに入ろうかとも思ったがそうではなさそうなので、あえて二人とは別の部活動の見学をする。


(どこに行こう…)


運動部はなしで、絵は描けないし、吹奏楽部も厳しいらしいからなし。


「あれ、真白?」


新入生勧誘のためにやけにたくさんのイラストが描かれていて目が疲れる部活動連絡のホワイトボードを眺めていると葵に声をかけられた。


「葵!久しぶり〜!何組?」


「4。真白は?」


「わたしは2組。離れちゃったね。」


葵はホワイトボードを一瞥してこちらを向いた。


「真白はどこに入るか決まった?」


「まだ。あんまり入りたいところなくて。葵は?」


「私もまだ。今日は茶道部に行ってみようと思っているから、暇なら一緒に行こう」


断る理由もなく、葵の誘いに乗ることにした…が、一つ誤算があった。


「……もう着いた?」


「まだ。あと二階半」


(いくらなんでも遠すぎでしょ)


わたしは当然知らなかったのだが、茶道部の活動場所である作法室は学校の一番上、七階にあったのだ。


なぜ生粋の文化部を七階まで登らせるのか。


先生は鬼畜だ…いや、この場合はこの学校の設計者を恨むべきか。


ぜいぜいいっていると、隣を涼しげな顔をした髪の長い人が上っていった。


「…今井さん」


小さすぎて声は届かなかったらしい。今井さんは我関せずといった風でと上っていった。


この上には茶道部の部室しかない。


わたしはさっきまで息があがっていたのも忘れて階段を駆け上がった。

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