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あなたは私を信じますか?  作者: 古月 うい
小学校

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3/6

出会い

「葵〜、一緒に帰ろう〜」


覚えている一番古い記憶は小二の頃だ。


まだ何も知らず、でもわたしはたくさん知っていると思っていたあの頃。


「真白、ごめんちょっと待ってて。かかりの仕事があるから」


葵はいつも頼まれたらなんでも引き受けていた。


だからわたしは葵が委員会やかかりやその手伝いを待っている間、いつも教屋の外で立っていた。


先生の許可なしに他のクラスの教屋に入ることは禁止だったから。


(葵はすぐ引き受けちゃうんだから。全くもう。)


不貞腐れながら学童の子たちが降りてきて校庭で遊んでいるのをぼんやりと眺めていると、不意に視界の端に廊下から歩いてくる人が入った。


(…ん?)


思わず振り向くと、まずそのあまりに落ち着いた雰囲気に驚いた。


小学二年生にしてはあまりに落ち着いていて、その時であっても中学生と言われて違和感がないほど成熟した雰囲気だった。


顔は雪のように白く、頬はほんのり赤い。


さらに特筆すべきはその動きの綺麗さだろう。


全く無駄がなく滑らかで、背筋をぴんと伸ばして歩くその姿は一枚の絵のように美しかった。


(なんて綺麗な人…)


わたしは一瞬で彼女に釘付けになった。


名札を見て同じ二年生なのだということと、名前が今井さんということがわかった。


見惚れている間に通り過ぎてしまっていて、けれど話しかける勇気も持てずその後ろ姿を眺めていた。


「真白、終わったよ!帰ろう!」


わたしは葵がかかりの仕事を終わらせ出てくるまでずっとぼんやりしていた。


「ましろ…?」


「あ、ごめん。帰ろう!」


葵のところにあわててかけて行って、帰るまで白いところしか踏まないようにするただの、あの黄色の背景に描かれた黒い猫をみると不吉など話して帰った。


けれど頭の中にはいつまでもあの今井さんの姿が焼き付いて離れなかった。


(あの人にまた会えるかな…)


ずっと頭の隅できっとこんな声で笑うかなとか、こういう振る舞いをするのかなとか考えていた。



それがわたしと今井さんの出会いだ。


その頃はただ仲良くなれたらいいなとしか考えていなかった。


本当にただ純粋に、ただそれだけだった。


それの何が間違っていたというのだろうか?



結局クラス数が多かったこともあり小学校のうちに今井さんと同じクラスになることはなく、接点はおろか見かけることすら稀なまま卒業した。


事態が動いたのは、中学になってからだった。

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