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《PSO》最初の街スレ 〜初心者に優しく〜
68名前:名無しのパンゲア国民
今日も新規さん結構きてたねー、過疎とはまだまだ程遠い人気で嬉しい限りだ
69名前︰名無しのパンゲア国民
今日、例の超高額スキンを購入しただろう初心者を二人見たぞ
70︰名無しのパンゲア国民
俺も見た見た! たぶん初心者だよな
あの金額をポンと出すのは中々だよ
71︰名無しのパンゲア国民
金額はともかく可愛いから欲しいんだよなーあのスキン! 買えねーけど!
まだこのゲーム容姿変更大幅に出来ないから最初が肝心だし!
72︰名無しのパンゲア国民
条件はあるらしいけど、近々容姿変更も可能になるみたい
それでも肝心の最初から超重課金放てる程の初心者が一体何人いることか⋯⋯
73︰名無しのパンゲア国民
あー、たぶんその初心者二人の内の一人がクエストに出たであろう数時間後に晒されてたぞ
74︰名無しのパンゲア国民
え? なんかやらかしたの?
75︰名無しのパンゲア国民
恐らく初心者クエストでボコボコにされたんだろう姿が晒されてた
画像貼っとく
76︰名無しのパンゲア国民
おおう⋯⋯顔面から地面に突っ伏してる
77︰名無しのパンゲア国民
優しさしかない初心者クエストでどうやったらここまでボロボロにされんの?
78︰名無しのパンゲア国民
この格好のまま十分程動かずにログアウトして消えていったらしい
79名無しのパンゲア国民
痛ましい⋯⋯
ミーシャちゃんていうのか
トラウマになってなきゃいいけど⋯⋯
80︰名無しのパンゲア国民
貴重なキャラの初心者だ
心折れないようそっと見守ってあげようじゃないか
81︰名無しのパンゲア国民
中身キモいおっさんかもしれんぞ
82︰名無しのパンゲア国民
いや、俺には見える
心優しいが故にスライムを倒せなかった少女の姿が⋯⋯
83︰名無しのパンゲア国民
絶対Vtuber大好きだろお前
84︰名無しのパンゲア国民
なんで分かった
85︰名無しのパンゲア国民
返答が素直でよろしい
お前は良いやつだ
俺には分かる
86︰名無しのパンゲア国民
おぉ⋯ブラザー
87︰名無しのパンゲア国民
何か新たな友情芽生えてる
88︰名無しのパンゲア国民
面白そうだしあの初心者二人を見守るスレでも作ろうぜ
89︰名無しのパンゲア国民
分かった
スレ作ってくる
90︰名無しのパンゲア国民
行ってらー
† † † † † † † † † †
ログイン初日の数時間でまだほぼ何もしてないはずが、すでに少し注目を集めている二人。
待ちに待った仮想世界での冒険はまだまだ始まったばかりだ。
朝六時、地面に突っ伏したままログアウトしてきたミカエルを十三の心層へとアイがそっと送り、十三は目覚めた。
「んんー⋯⋯もう朝か⋯⋯? 痛っ! ん? うわ⋯⋯顔に砂が」
起きようとした十三は身体の異変を感じて驚いた。
身体全体はマラソン後のように重く、そして汗だくになっていて青アザもある。
「そうか⋯⋯あの二人がずっとプレイしてたから身体が酷使されたままなんだな⋯⋯きっつ」
「おはようございます十三様、仰る通りその疲労はお二人のプレイの結果です。
ご安心下さい、体力回復の治癒系魔法を私の内包魔素でかけますのでその後どうぞゆっくりと入浴なさって下さい」
「それはありがたい、毎プレイ後この疲労度だと日常生活キツすぎる」
「機材はどうしますか?」
「ここに置いとくよ、毎回持ち運びは面倒すぎるし」
「分かりました。
十三様、それと私の内包魔素は有限ですので魔素補給の為に定期的にダンジョンへと潜って頂ければ助かります」
「分かった、空いた時間はダンジョン探索に割くようにするよ、コン達にも会いたいし」
「ありがとうございます」
十三はそのまま風呂へと向かい湯船に浸かって他人が酷使した自分の身体を労った。
(今日見た夢⋯⋯あれやっぱりルシフェルの過去だよな⋯⋯
魔物を強制的に引き連れての国滅ぼし、完全に魔王そのものだった。
耐え難い経験があるとはいえ数万年もの間、魔王、悪魔王と呼ばれ世界を滅ぼしてきたんだ。
やっぱりまだ気は許せないな⋯⋯)
汗を流し、暫くゆっくりした後朝食へと向かう途中で月穂と会った。
「おはよ十三、どうだった二人の初ゲームナイトは?」
「疲れたの一言だ、精神は寝てるけど身体は一晩中全力で動いてるもんだから起きたらマラソン後みたいだったよ」
「うわぁ⋯⋯身体大丈夫?」
「アイが体力回復の魔法をかけてくれたからだいぶマシ」
「そっか、凄いねアイは」
「定期的にダンジョン潜って魔素吸収しないと内包してる魔素が足りなくなるみたいだから後でダンジョン潜るよ」
「あ、じゃあ私も付いてくね」
「分かった、昼飯後くらいにしようか?」
「OK、その時声かけてね」
その後朝食を終え、正源と話すべく道場へと向かった。
先に向かっていた正源は既に道場の中央で正座をして待っていた。
「座りなさい」
言われて正源の正面に座した。
「一晩過ぎてどうじゃ?」
「疲れたよ⋯⋯アイツら夜中ずっとゲームで走り回ってるんだ、起きたらボロボロだったよ」
「そりゃあ⋯⋯難儀じゃな⋯⋯」
「アイが体力回復の魔法使って少し回復してくれたからかなりマシだよ」
「アイ殿、あの二人の制御は大丈夫かの?」
「今の所問題はありません」
「十三、お主は今や国の『夢袖』の管理下にあり、世界中の一族組織からすでに注目を集めとる。
ワシのおるこの村での活動は可能じゃが外には出る事はできん、それは月穂さんも同じじゃ」
「村で活動できるなら今までとあまり変わらないな、村から出てどっか行くなんて一年に何度もないし」
「まぁそうじゃな、夢袖から支持が出るまではダンジョンに潜って鍛えておきなさい、無茶だけはせんようにな」
「分かった、何か違和感や異常があったらすぐ言うよ」
「うむ」
† † † † † † † † † †
その前日、京都に帰った紫暮は伏見稲荷の地下の祠で正座をし、映像魔法での会議に参加者していた。
「終末戦争⋯⋯まさかこの世代で起こるんかいな⋯⋯
今までの戦争の中心が顕現し同居しておる事実、一体どう動くんやろね」
「他の顕現事例も発生しているやもしれん、しらみ潰しになど探しておれんぞ⋯⋯
『巫女』を起こす」
「起きるのは戦前以来⋯⋯どんな夢を見ていたのやら」
「この後直ぐに『壱与』に『巫女』を起こす旨を伝える、異論はないな?」
参加者全員が黙したまま頷いた。
† † † † † † † † † †
朝食後、十三にダンジョン探索への出発時間を伝えられた月穂は準備をして地下の祠へと向かおうとしていた。
(これから先、私がアイと共に十三のストッパーにならないといけない⋯⋯
中にいる二人の異常な力に対抗出来る能力と経験が少しでも必要、可能な限りダンジョンに潜って戦闘経験を積むのが最善だよね。
それと、恐らく私の中にもいるまだ起きていない一人⋯⋯
不安要素だらけだけど進まないと何にもならない、目標は変わらず先ずは上級魔法『支援魔法』の獲得だ!)
地下に着くとそこにはもう十三がいた。
「お待たせ」
不安は顔に出さないよう精一杯の笑顔で伝える。
「俺に何か異変があった場合⋯⋯アイ、月穂を頼むな」
「問題ありません、お任せ下さい」
「よし、じゃあ行こうか」
アイの魔素だけは最重要で確保しておかないといけない、いざ何かあった場合に魔素不足では世界が滅ぶ。
十三も不安だらけだが顔には出さずダンジョンへと入って行った。
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