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世界廻転 2月28日 【惑星直列】

 本日、2025年2月28日

現実のこの世界でも本作同様【惑星直列】が起こります。

 地球上の場所により直列が観測出来る時間などは様々なようです。

 興味ある方は観測してみてはどうでしょうか?

 本作のような事態になる事はない⋯⋯と思いますので夜空の天体ショーをお楽しみ下さい!

 ルシフェルが仮想世界から戻った後、ミカエルが交代でドリームダイバーで仮想世界へと潜って行き、案の定数時間後に仮想世界で顔面を地面に突っ伏してログアウトしてきた。


「やっと⋯⋯やっとスライムを倒したぞ⋯⋯フルダイブだっけ、現実と変わらない感覚のおかげでやっと最初のクエストクリアできた⋯⋯」


 操作性が向上したからか初心者クエストのスライム討伐をやっとのことでクリアしたミカエルはボロボロになって帰ってきた。


十三(じゅうぞう)君、また汗だくの身体になって帰ってきちゃったよごめんね⋯⋯後は⋯⋯よろ⋯しく⋯⋯」


 激しい疲労でミカエルはそのまま心層へと落ちていった。


「⋯⋯仮想世界で何したらこんな汗ビシャビシャになるんだ⋯⋯? とりあえず風呂だな」


 そのまま風呂場へ直行し汗を流す。


「ふーっ、朝風呂はやっぱ最高だな」


 そして今日のこれからの事を考えて少し憂鬱になる。


(今日は1日外で警戒なんだよな⋯⋯)


 2025年2月28日夕刻、太陽系の惑星大直列が起こる。

 水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星。

 惑星や星の軌道を利用したこれまで2回起きた空を埋め尽くす魔法陣騒動。

 最初の魔法で魔素が地球に満たされ始め月が魔石に変質、2回目で全生物への魔臓器強制覚醒。

 そして全てが空に一直線上並ぶこの時に何も起こらないはずがない。

 【夢袖】を含め世界中で厳重警戒が敷かれる、この日、夜中零時から世界は外出禁止令を発動させた。

 裏の世界を知らない人々は情報の少なさと恐怖にパニックになっていた。

 しかし外に出て逃げたいが最初の発動時に外にいた者は魔素に当てられ全て倒れた為、それを恐れて外で強盗や暴動を起こすものは少なかった。


 十三は朝風呂を終え、いつものように朝食の場へと向かう。

 客間の長机にはすでに皆揃っていた、ワイワイと話してはいるが皆どこか落ち着かない様子だった、不安を少しでも和らげようとしているのだろう。


「皆しっかり食べてね、腹が減っては何とやら」

「はーい」


 ふと月穂(ゆえ)と目が合うと彼女は笑ったがどこかぎこちない、やはり不安が勝っているのだろう。

 賑やかな食事を終えると正源(正源)が話始めた。


「さて、皆不安じゃろうが考えすぎてもどうにもならん。

 無理かもしれんが少し肩の力を抜くよう努めてくれ。

 有事の際、1番危険な地下の祠は鷲と十和呼さん、それ以外は前回同様に家と外での交代での見張りじゃ」


 皆何も言わずに頷く。


「予想される最悪の事態は魔物の地上への解放じゃ。

 鷲と十和呼さんはその事態が起こった際の次元結界での封印と漏れ出る魔物の討伐、祠を介さず外にいきなり魔物が生まれる可能性もある、主らは魔法陣の発動を確認したら直ぐに儂らに報告、そして外での魔物の対処じゃ。

 司令塔の美沙さんを中心に事態に対処し、互いの班を助け合うように」


 再度皆は静かに頷く。


「アイ殿、有事の際の状況の解析と伝達、お願いできるかな?」

{はい勿論です、解析の報告は音魔法で全員に伝達します}

「ありがとう、事態を見て必要であれば指示を出してくれてもかまわん」

{了解しました}

「皆、片付けの後に準備ができ次第持ち場についてくれ」


 最後にまた皆頷いて互いに笑い会う、大丈夫だと言い聞かせるように。


 惑星直列は夕刻、どの時間のタイミングで起こるかは不明。

 実際夕方の18時までは何も起こらなかった。


「肉眼じゃ見えないよねやっぱり」

「だな、以外と何も起こらない可能性もあるしな」

「そうだといいね」

「お、一番星でてきたな」

「あれが金星だよね、他の惑星も見えたら綺麗だろうな」

「望遠鏡は壊しちゃって持ってないから残念ながら観察出来ないのはちょっと残念だな」

「綺麗な金星が見えるだけで十分だよ」

{来ます!!}


 アイが音魔法で叫んだその時、金星が一際輝いた。


「!?」

「きたか!!」


 目に見える金星を軸に横一列に7つの光が夜空に灯るとその光を中心に魔法陣が形成された。


「くそ! やっぱり起こるのか!! 今度は何を起こそうってんだ!?」

「怖い⋯⋯皆無事でいて」


 今度は7つの魔法陣を軸に空に魔法陣が広がる。

 数多の魔法陣が蠢き、合わさり、新たな魔法陣を生み出して相互作用していく。

 それに伴い月も輝き始め強い光を地球に浴びせた。


「ぐあっ!? 熱い!!」

「キャア!! 何これ!?」


 身体の中を粒子が突き抜け、そこから摩擦熱のような物を受ける感覚が襲った。


「大丈夫か月穂!?」

「熱い⋯⋯」


 その身体を内から熱するような感覚は暫く続き、そして意識を失った。

 最初の魔法陣の時とは違い、屋外屋内、地球上全ての生物が同じ影響を受け、そして倒れた。



 2025年2月28日


 惑星直列に伴い


 ついに世界が改変された

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