心臓の音を聞いて

作者： Ale Kanno

まだ　だめ

まだ　だめだから

二人の並ぶ肩を片目で隠す

繰り返す波の音で右目に被せた掌を忘れた

誰かの肩に寄せていた

肩を寄せた

語っていた

まだ　だめだから

海を見に行こうと言っていたらしい

海に連れていくと約束していたらしい

君が見たことないと言ったから

あなたの心に映っていたから

まだいてほしい

まだいたい

まだいかないでほしい

ずっといたい

願いが叶うと言われる無数の海から一つ掬う

流れる星

瞬きと途切れを繰り返す

わたしは

きみは

あなたと

きみと

しし座流星群を観測した

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