銃
僕は夜の繁華街の黒人に声を掛けた。
「I want a gun」
黒人はじっと目を細めて、僕のことを見下ろした。身長は優に僕の身長を30cmも超えていた。黒人はガムを噛みながら言った。
「hey , baby. Do you understand what are you saying?(おまえ、何を言っているのか分かっているのか?)」
「Yes, I do 」
僕は答えた。黒人は手を苛立たしげに手をぶらぶらさせた。僕は大きな声で言った。
「How much?」
黒人は目を細めたまま、なにかを考えているようだった。
「1000 dollars」
黒人は重い口を開けた。僕は財布から12万円を出した。黒人はそれを見て、にやっと笑った。
「Thank you.」
黒人は12万円あることを確認して、カバンの中から、黒光りした1丁の使い慣らされた銃を出した。僕は、何回かグリップとトリガーの感触を確かめた。黒人はずっとにやにやしたままだった。僕は銃をタオルに巻いて、カバンの中に閉まった。そして行こうとすると。黒人は僕の背中越しに言った。
「Why did you want a gun? For what?(なぜ、お前は銃をほしがるんだ。)」
僕は振り向いて答えた。
「I’ll kill my father(僕は父さんを殺す)」
黒人はそれを聞くと、大きな声で笑った。
「My god. I pray you could succeed(幸運を祈るよ)」
僕は何も言わず、振り返って、走りだした。