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少年と私が2人  作者: 黒沼
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過去の私


 テントの中に傷だらけの人が並んでいる。突然暴れ出したり、うめき声を聞いたりする。

 もう見ていられない、聞いていられない。必ず助けると約束していた人が死んでしまった。心が、痛い。

 体の奥底が痛む。どうすれば、この痛みがなくなるのだろうか。あの惨劇を見なければ、聞かなければ消えるだろうか。いや、消えない。消えない。他人の気持ちが心に入り込み続ける。時間を空けても明日になってもまた出会う事実が、心に重くのしかかる。なくなったり消えたりしない一つの事実に自分が蝕まれていく。心を、感情を捨てたい。歪ませたい。誰かが困っていても寄り添おうと、思いたくない。そうではないと私は壊れてしまう。いやもう壊れている。

 時間が経ち、何をすればと悩むことがなくなった私は流れるように動くようになった。夢を見るように頭がぼやけてはっきりしない。このようになりたいと、あの時に望んでいたことがようやく叶ったのに。体が痺れている気がする。


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